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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による東日本大震災の緊急観測結果(33)

2011年3月11日14時46分頃、東北地方の太平洋沖で国内観測史上最大となるマグニチュード9.0の大地震が起こりました。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、陸域観測技術衛星「だいち」を用いて2011年3月12日から当該地域の継続調査を行なっています。3月24日に観測されたパンクロマチック立体視センサ(プリズム)*1と高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*2の画像を用いて、岩手県陸前高田市および岩手県上閉伊郡大槌町の地震前後の鳥瞰図を公開いたします。

図1、図2は、2011年3月24日、2010年11月6日に観測されたプリズム2方向視観測画像から作成した標高(地形)データ(数値地表モデル, DSM)に、各々の日に観測されたパンシャープン画像*3を重ね合わせて作成した岩手県陸前高田市付近の鳥瞰図です。明るい白色は、雲や雪です。津波により、橋が損壊し、市街地や植生が広く失われているのが分かります。
図1: 岩手県陸前高田市付近の地震後の鳥瞰図
図1: 岩手県陸前高田市付近の地震後の鳥瞰図
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標高データ(DSM)、パンシャープン画像:2011年3月24日
図2: 岩手県陸前高田市付近の地震前の鳥瞰図
図2: 岩手県陸前高田市付近の地震前の鳥瞰図 標高データ(DSM)、パンシャープン画像:2010年11月6日
図3、図4は、2011年3月24日、2010年11月6日に観測されたプリズム2方向視観測画像から作成した標高(地形)データ(数値地表モデル, DSM)に、各々の日に観測されたパンシャープン画像*3を重ね合わせて作成した岩手県陸前高田市付近の鳥瞰図です。明るい白色は、雲や雪です。陸前高田市同様に津波により、市街地や堤防が広く失われているのが分かります。
図3: 岩手県上閉伊郡大槌町付近の地震後の鳥瞰図
図3: 岩手県上閉伊郡大槌町付近の地震後の鳥瞰図 標高データ(DSM)、パンシャープン画像:2011年3月24日
図4: 岩手県上閉伊郡大槌町付近の地震前の鳥瞰図
図4: 岩手県上閉伊郡大槌町付近の地震前の鳥瞰図 標高データ(DSM)、パンシャープン画像:2010年11月6日

*1 パンクロマチック立体視センサ(プリズム):

「だいち」進行方法に対して真下(直下視)と斜め下(前方視、後方視)の画像をほぼ同時に取得することができる光学センサで、衛星直下で地上2.5mのものが識別できる能力(地上分解能)を有しています。

*2 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):

青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、衛星進行方向に対して東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。

*3 プリズムとアブニール・ツーによるパンシャープン画像

プリズムとアブニール・ツーによるパンシャープン画像とは、2.5mのものが識別できる能力(地上分解能)を持つプリズムと、地上分解能10mですがカラー情報を持つアブニール・ツーを用いて、擬似的に地上分解能2.5mのカラー画像にしたものです。

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