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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による東日本大震災の緊急観測結果(9)
2011年3月11日14時46分頃(日本時間、以下同じ)、東北地方の太平洋沖(北緯38.32°、東経142.37°、深さ32km)を震源とする、国内観測史上最大となるマグニチュード9.0の地震が発生しました(地震の規模・位置については米国地質調査所(USGS)による発表を参照)。宮城県栗原市で震度7、岩手県から栃木県にかけての広い範囲で震度6強が観測されるなど、極めて強い揺れが広範囲に渡って観測されました。この地震の影響で発生した津波は、震源に近い東北地方の太平洋側では最大で10メートル以上の高さに達したと見られ、沿岸地域に甚大な被害を与えています。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2011年3月16日9時55分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による現地の緊急観測を実施しました。
図1は今回観測した画像全体を示したもので、赤枠がPALSARでの観測位置を示しています。
図2は、PALSARでの災害前の2009年11月12日観測の画像を赤に、災害後の2011年3月16日観測の画像を緑と青に割り当てたカラー合成画像です。図2の黄枠の範囲を拡大したものを図3に示します。
(a)は石巻港周辺、(b)は東松島市南部(東名・野蒜地区)、 (c)は仙台港付近、(d)は名取市から亘理郡、(e)は相馬港・松浦湾周辺、(f)および(g)は南相馬市付近のカラー合成画像です。海岸付近の赤色に変化している箇所は災害後に反射が弱くなったところで、津波による冠水等の被害があったものと考えられます。
JAXAでは今後も「だいち」による当該地域への観測を継続していく予定です。
なお取得された画像は、内閣府を始めとする防災関係省庁並びに地方自治体等に提供しています。
*1 パルサー(PALSAR):
フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ。衛星から発射した電波の反射を受信するマイクロ波レーダで、夜や曇天時も撮像が可能です。
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