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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による東日本大震災の緊急観測結果(20)

2011年3月11日14時46分頃、東北地方の太平洋沖で国内観測史上最大となるマグニチュード9.0と推定される地震が起こりました。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、2011年3月12日から行なっている当該地域の継続調査として、3月24日10時24分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*1とパンクロマチック立体視センサ(プリズム)により現地の緊急観測を実施しました。すでに速報としてアブニール・ツーによる観測結果を報告していますが、今回はアブニール・ツーとプリズムから作成したパンシャープン画像*2を公開します。

図1は今回観測した画像全体の様子を示したもので、アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており人の目で見た色に近くなっています。明るい白色は雪や雲です。
図1: 今回観測した画像全体
図1: 今回観測した画像全体
(クリックで拡大画像へ)

観測日時: 2011年3月24日10時24分頃(日本時間) センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー) ポインティング角: 0°

  • 図2: 久慈市から野田村の様子
    図2: 久慈市から野田村の様子 左: 地震後2011年3月24日、右: 地震前2011年2月23日
  • 図3: 田野畑村付近の様子
    図3: 田野畑村付近の様子 左: 地震後2011年3月24日、右: 地震前2011年2月23日
  • 図4: 宮古市付近の様子
    図4: 宮古市付近の様子 左: 地震後2011年3月24日、右: 地震前2010年11月6日
  • 図5: 山田町から大槌町の様子
    図5: 山田町から大槌町の様子 左: 地震後2011年3月24日、右: 地震前2010年11月6日
  • 図6: 釜石市付近の様子
    図6: 釜石市付近の様子 左: 地震後2011年3月24日、右: 地震前2010年11月6日
  • 図7: 陸前高田市付近の様子
    図7: 陸前高田市付近の様子 左: 地震後2011年3月24日、右: 地震前2010年11月6日
  • 図8: 南三陸町付近の様子
    図8: 南三陸町付近の様子 左: 地震後2011年3月24日、右: 地震前2010年8月6日
  • 図9: 女川町付近の様子
    図9: 女川町付近の様子 左: 地震後2011年3月24日、右: 地震前2010年8月6日

図2から図9は各被災地域について、地震後の3月24日に観測した画像および地震前の画像から作成したパンシャープン画像です。それぞれの画像をクリックするとウィンドウが開き、マウスおよび操作用のバーで表示領域の移動や拡大・縮小を行うことが出来ます。

取得された画像は、内閣府を始めとする防災関係省庁、地方自治体等に提供しています。

なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):

青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、衛星進行方向に対して東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。今回の画像は東側に0度で取得しました。

*2 プリズムとアブニール・ツーによるパンシャープン画像

プリズムとアブニール・ツーによるパンシャープン画像とは、2.5mのものが識別できる能力(地上分解能)を持つプリズムと、地上分解能10mですがカラー情報を持つアブニール・ツーを用いて、擬似的に地上分解能2.5mのカラー画像にしたものです。

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