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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による東日本大震災の緊急観測結果(24)

2011年3月11日14時46分頃、東北地方の太平洋沖で国内観測史上最大となるマグニチュード9.0の大地震が起こりました。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、2011年3月12日から行なっている当該地域の継続調査として、4月5日10時18分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*1により現地の緊急観測を実施しました。

図1は2011年4月5日に観測した画像です。アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており人の目で見た色に近くなっています。明るい白色は雪や雲です。
図1: 今回観測した画像全体
図1: 今回観測した画像全体
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観測日時: 2011年4月5日10時18分頃(日本時間)

センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー)

ポインティング角: -9°

図2から図8はアブニール・ツーのバンド4, 3, 2を合成したフォールスカラー画像で表示しており、植生(赤色)と雲(白色)が明瞭に区別できるため、地表面の様子をとらえることができます。

図2は地震後の2011年4月5日、2011年3月28日および地震前の2011年2月27日に観測された画像から、宮城県女川町にある出島周辺を拡大したものです。3月28日の画像中の黄枠で示した箇所で漂流物が湾内に溜まっている様子が分かりますが、4月5日の画像では、確認できませんでした。撤去されたか沖に漂流していると考えられます。
図2: 宮城県女川町出島周辺の様子(約10km×10kmのエリア)
図2: 宮城県女川町出島周辺の様子(約10km×10kmのエリア)

左図: 地震後2011年4月5日、中央図: 地震後2011年3月28日、右図: 地震前2011年2月27日

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図3は地震後の2011年4月5日、2011年3月14日および地震前の2011年2月27日に観測された画像から、福島県相馬市周辺を拡大したものです。4月5日の画像中の黄枠で示した箇所で冠水していた平野部から水がひいている様子が確認できました。
図3: 福島県相馬市周辺の様子(約12km×12kmのエリア)
図3: 福島県相馬市周辺の様子(約12km×12kmのエリア)

左図: 地震後2011年4月5日、中央図: 地震後2011年3月14日、右図: 地震前2011年2月27日

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図4は地震後の2011年4月5日、2011年3月17日および地震前の2011年2月23日に観測された画像から、福島県南相馬市周辺を拡大したものです。4月5日の画像中の黄枠で示した箇所で冠水していた平野部から水がひいている様子が確認できました。
図4: 福島県南相馬市周辺の様子(約16km×26kmのエリア)
図4: 福島県南相馬市周辺の様子(約16km×26kmのエリア)

左図: 地震後2011年4月5日、中央図: 地震後2011年3月17日、右図: 地震前2011年2月23日

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図5は地震後の2011年4月5日、2011年3月17日および地震前の2011年2月23日に観測された画像から、茨城県稲敷市周辺を拡大したものです。黄枠で示したのは3月17日の時点で未だ液状化により地中の水分が湧出したと考えられた箇所ですが、4月5日の画像ではおおよそ水が引いている様子が分かります。
図5: 茨城県稲敷市周辺の様子(約8km×8kmのエリア)
図5: 茨城県稲敷市周辺の様子(約8km×8kmのエリア)

左図: 地震後2011年4月5日、中央図: 地震後2011年3月17日、右図: 地震前2011年2月23日

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図6は地震後の2011年4月5日、2011年3月17日および地震前の2011年2月23日に観測された画像から、千葉県香取市周辺を拡大したものです。黄枠で示したのは3月17日の時点で未だ液状化により地中の水分が湧出したと考えられた箇所ですが、4月5日の画像ではおおよそ水が引いている様子が分かります。
図6: 千葉県香取市周辺の様子(約6km×6kmのエリア)
図6: 千葉県香取市周辺の様子(約6km×6kmのエリア)

左図: 地震後2011年4月5日、中央図: 地震後2011年3月17日、右図: 地震前2011年2月23日

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図7は地震後の2011年4月5日、2011年3月17日および地震前の2011年2月23日に観測された画像から、茨城県潮来市から神栖市周辺を拡大したものです。黄枠で示したのは3月17日の時点で未だ液状化により地中の水分が湧出したと考えられた箇所ですが、4月5日の画像ではおおよそ水が引いている様子が分かります。
図7: 茨城県潮来市から神栖市周辺の様子(約8km×8kmのエリア)
図7: 茨城県潮来市から神栖市周辺の様子(約8km×8kmのエリア)

左図: 地震後2011年4月5日、中央図: 地震後2011年3月17日、右図: 地震前2011年2月23日

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図8は地震後の2011年4月5日、2011年3月17日および地震前の2011年2月23日に観測された画像から、茨城県神栖市利根川沿いを拡大したものです。黄枠で示したのは3月17日の時点で未だ液状化により地中の水分が湧出したと考えられた箇所ですが、4月5日の画像ではおおよそ水が引いている様子が分かります。
図8: 茨城県神栖市利根川沿いの様子(約2km×2kmのエリア)
図8: 茨城県神栖市利根川沿いの様子(約2km×2kmのエリア)

左図: 地震後2011年4月5日、中央図: 地震後2011年3月17日、右図: 地震前2011年2月23日

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取得された画像は、内閣府を始めとする防災関係省庁、地方自治体等に提供しています。

なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):

青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、衛星進行方向に対して東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。2011年4月5日の画像は西側に9度で取得しました。

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