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地球が見える 2019年

2019年8月下旬の九州北部地方の豪雨と洪水

[2019/8/29公開、2019/8/30追記]

九州北部地方において2019年8月下旬に豪雨が発生し、気象庁は2019年8月28日に佐賀県と福岡県、長崎県の市町村に大雨特別警報を発表しました。

図1に、2019年8月25日08時から8月29日7時(日本時間、以下同様)の衛星全球降水マップ(GSMaP)による雨の時間変化を示します。

本豪雨とそれに伴う洪水について、全球降水観測(GPM)主衛星に搭載された二周波降水レーダ(DPR)では8月29日7:45の雨の三次元分布を観測しました。また、「だいち2号」(ALOS-2)搭載の合成開口レーダ、パルサー2(PALSAR-2)では国土交通省の要請に基づき8月28日12:11に佐賀県周辺を観測し、防災機関にデータを提供しました。

8月29日7:45にGPM/DPRが観測した雨の地表分布

図2 8月29日7:45にGPM/DPRが観測した雨の地表分布

図2と図3は、8月29日7:45に、GPM主衛星に搭載された二周波降水レーダによって観測された九州北部地方の豪雨を示した画像や動画です。GPM/DPRにより、豪雨が活発な領域で降雨の高さが14kmに達していることがわかります。宇宙から3次元で雨を高精度にはかることのできる衛星は、現在、GPM/DPRの1機のみであり、気象庁の天気予報での利用を通して日々の生活にも役立てられています。

図4は、8月28日12:11に「だいち2号」PALSAR-2の高分解能モード(3m解像度、HH偏波)で観測した画像です。図5は、この画像から冠水域を推定した解析画像で、色の濃い部分ほど冠水した状態である可能性が高いと推測されます。これは画像の明るさの変化を利用した推定であり、都市開発や農地の季節的な変化などの災害に関係しない変化が含まれる可能性があります。
※解析には過去のPALSAR-2データおよび国土数値情報浸水想定区域データ(国土交通省)を使用しています。

8月29日現在、降雨が続いている地域もありますので、引き続き大雨に厳重に警戒してください。

[2019/8/30追加]
JAXAでは、こうした豪雨による被害を衛星の観測時刻や領域を超えて計算・推定するため、東京大学と共同で全球陸面シミュレーションモデル「Today’s Earth(TE)」の開発を進めています。図6にTEの日本域高解像度版であるTE-Japanによる河川流量推定結果を示します。

TE-Japanが推定した日本全土の河川流量(2019年8月27日18時(日本時間))

図6 TE-Japanが推定した日本全土の河川流量(2019年8月27日18時(日本時間))

TE-Japanでは、日本全土の河川流況を約1km解像度で1時間毎にモニタリングすることができます。図7では九州北部における氾濫の様子(モデルの各格子における氾濫面積割合の1時間毎の時間変化)を示しており、赤枠部分が図5の「だいち2号」PALSAR-2観測画像の範囲です。図7と図5を比較すると、TE-Japanによる氾濫域はだいち2号が推定した冠水域と整合的な結果が示しているだけでなく、衛星の観測範囲外の広い範囲や、別の時刻でも氾濫を推定できています。

このように、JAXAでは衛星やモデルによる情報を総合的に解析することで、将来の洪水被害軽減に役立てるよう、研究を進めています。

観測画像について

画像:観測画像について


図2、3

観測衛星 全球降水観測計画主衛星(GPM core observatory)
観測センサ 二周波降水レーダ(DPR)
観測日時 2019年8月29日7:45(日本時間)

図4

観測衛星 陸域観測技術衛星2号「だいち2号」
観測センサ フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)
観測日時 2019年8月28日12:11(日本時間)

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