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地球が見える 2006年

TRMMが観測した「平成18年7月豪雨」

(a)
(b) (c)
図1 2006年7月18日21時35分(日本時間)にTRMMで観測した
降雨の 水平分布と雲画像 (a) と長野地方 (b) と山陰地方 (c) の立体画像
  熱帯降雨観測衛星(TRMM)が「平成18年7月豪雨」を観測しました。図1はTRMMの降雨レーダ(PR)で観測した2006年7月18日21時35分(以下日本時間)に観測した降雨分布と雲画像の合成図と降雨の立体構造を示します。この立体構造は北側から見たものです。降雨分布を見ると、前線に沿って広範囲に降雨が広がっている様子がわかります。特に大きな被害が出た長野県に、赤い色で示された特に降雨が強い領域があることがわかります(図1a)。長野県を拡大した立体画像と線ABに沿って北側から見た鉛直断面(図1b)を見ると、特に大きな被害が出た上諏訪地域に集中して、発達した強い降水があったことがわかります。この日は長野県諏訪市で148 mm、辰野町で147 mmの降雨が観測されており、このような大雨がこの地域で降り続いたために、大きな土砂災害が発生しました。また同じ時間に山陰地方でも強い降水域が見られます(図1a)。海岸線に沿って東西に長い線状の降水が見られます。特に強いのが島根県上空で、このとき島根県大田市で34 mm/hの降水が観測されています。また線CDに沿って北側から見た鉛直断面(図1c)を見ると、この線に沿って、複数の発達した強い降水域があることがわかります。このようにこの日は梅雨前線に沿って、同時に至る所で豪雨が発生していたことがわかります。

図2 2006年7月15日9時から7月25日9時までの10日間積算降水量分布
図2は3時間毎に準リアルタイムで配信されるTRMMによる全球降雨マッププロダクト(TRMM 3B42RT)を元に作成した7月15日から10日間の積算降水量分布を示しています。特に今回大きな被害が発生した南九州にはっきりとしたピークがあることがわかります。また北陸地方から朝鮮半島にかけて降水帯が延びていて、大雨が発生していた様子がわかります。

今年はこのような梅雨前線が7月末まで日本上空に停滞して、梅雨明けを遅らせた上、各地に深刻な被害をもたらしました。これは偏西風の蛇行が強まって、日本の上空に寒気が流れ込む状態が続いたこと、日本の南海上の高気圧が強く、暖かく湿った空気が日本上空に流れ込みやすい状態が続いたことによります。通常であれば梅雨明けとなる7月後半にこのような状態が続くことはあまりありません。このような梅雨前線の動態や詳細な構造の解明にTRMMのデータは大きく貢献しています。



参照サイト:
気象庁ホームページ
アメダス
平成18年7月15日以降の大雨に関連する大気の流れについて
平成18年7月豪雨」(PDF)
平成18年7月15日から19日にかけての長野県内の大雨に関する気象速報」(PDF)
消防庁ホームページより
平成18年の梅雨前線による大雨の被害状況

観測画像について:
(図1(a)〜(c)及び図2)
観測衛星: 熱帯降雨観測衛星(TRMM)*
観測センサ: 降雨レーダ(PR)可視赤外観測装置(VIRS)
観測日時: 2006年7月18日21時35分(日本標準時)(図1(a)〜(c))、2006年7月15日9時〜7月25日9時(日本標準時)(図2)
* TRMMは、NASA, NICT及びJAXAの共同プロジェクトです。

関連サイト:
梅雨前線に伴う九州の大雨
TRMMが捉えた西日本の大雪
地球が見える 台風・洪水
TRMMホームページ

付録:「平成18年7月豪雨」について
7月15日から24日にかけて、日本上空に梅雨前線が停滞して、各地で豪雨による大きな被害が発生しました。7月18日を中心に、長野県の天竜川上流域で降り始めから400 mm以上に達する大雨により、河川の堤防決壊や土石流などの土砂災害が発生しました。同じ時期に北陸地方や中国地方でも降り始めから500 mm以上に達する大雨により、崖崩れや土砂崩れが発生しました。また7月21日から23日にかけ、九州南部に梅雨前線が停滞し、同じ場所に豪雨が降り続いたため、鹿児島県や宮崎県で降り始めからの降水量が1200 mmを超えるような記録的な豪雨となり、この時期だけで7月の月降水量の平年値を大きく上回る豪雨がもたらされました。その結果、河川の氾濫により広範囲で浸水等の被害が発生しました。これらの災害によって30名の方が犠牲となりました。これだけの広範囲で大きな被害が発生したことを受けて、今回の一連の豪雨は「平成18年7月豪雨」と名付けられました。
本文ここまで。
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