AMSRとは
Advanced Microwave Scanning Radiometer の頭文字をとって、AMSR、アムサーと呼びます。 日本語の名称は、「高性能マイクロ波放射計」です。 AMSRは、地表面や大気などの自然界から放射される微弱なマイクロ波を測定します。
日本におけるマイクロ波放射計の開発は、1970年代に始まりました。 最初のマイクロ波放射計は、Microwave Scanning Radiometer (MSR)です。 1987年2月に海洋観測衛星(もも1号)に搭載されて打ち上げられました。 もも1号は、日本付近のデータを取得してセンサの機能を確認した後、1995年11月に運用を停止しました。 1990年2月には、もも1号と同等の性能を持つ後継機の「もも1号b」も打ち上げられました。
その後、2002年に、2つの高性能マイクロ波放射計(Advanced MSR;AMSR)を開発しました。 1つはNASAの衛星Aqua(打上げ2002年5月)に搭載されたAMSR-E、 もう1つはJAXAの衛星ADEOS-II(打上げ2002年12月)に搭載されたAMSRです。 写真はAMSR-Eの外観を試験現場にて写したものです。
現在、GCOM-Wに搭載した高性能マイクロ波放射計2 (AMSR2)が運用中です。 2024年度には、AMSR3も打ち上げの予定です。
運用中もしくは開発中の衛星
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温室効果ガス・水循環観測技術衛星
GOSAT-GW / AMSR3
温室効果ガス観測ミッション(環境省と国立環境研究所が担当)と水循環変動観測ミッション(JAXAが担当)を担う地球観測衛星です。
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水循環観測衛星 しずく
GCOM-W / AMSR2
AMSR-Eを引き継ぎ、直径2mの世界最大クラスのアンテナを採用、電波干渉対策として7.3GHzを追加しました。
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運用を終了した衛星
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地球観測衛星 Aqua
Aqua / AMSR-E
Aquaは、地球環境システム(大気、雲、雪氷、水、植生等)のメカニズムの解明を目的として、NASAによって開発された地球観測衛星です。
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環境観測技術衛星 みどりII
ADEOS-II / AMSR
「みどりII」は、世界各地での異常気象、南極のオゾンホールなど、地球規模での環境変化の実態把握の観測を目的としています。
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海洋観測衛星 もも1号/もも1号b
MOS-1/MSR, MOS-1b/MSR
地球資源の有効利用や環境保全などの必要から、日本の自主技術による初めての地球観測衛星として開発されました。
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