AMSRデータカタログ
AMSR地球観測データのことを知る -- 高性能マイクロ波放射計 AMSRシリーズ
JAXAでは、公開して提供しているデータのことをプロダクトと呼び、標準プロダクトと研究プロダクトを公開しています。 AMSRシリーズのデータには、観測データである輝度温度の標準・研究プロダクトと、輝度温度から推定された物理量の標準・研究プロダクトがあり、 それぞれ、処理レベルに応じて、Level-1、Level-2、Level-3の3種類があります。 AMSRデータカタログでは、AMSRシリーズの各種のプロダクトについて紹介しています。
  • 処理レベル
  • 標準プロダクト
  • 研究プロダクト
  • 試行プロダクト
  • プロダクトの利用
  • 関連文書
  • データカタログ
  • プロダクト概要
  • 処理レベル

処理レベル

処理レベル *1 定義
Level 1B (L1B) 変換係数を用いてレベル1Aアンテナ温度から算出した輝度温度を格納したシーン単位 *3 のプロダクト (Swathデータ *2)
Level 1R (L1R) レベル1B輝度温度の空間マッチング処理により各周波数帯のフットプリントの中心位置とサイズを一致させた輝度温度を格納したシーン単位 *3 のプロダクト (Swathデータ *2)
Level 2 (L2) フットプリントごとに輝度温度から算出した物理量を格納したシーン単位*3のプロダクト (Swathデータ *2)
Level 3 (L3) 格子化処理と時間的な統計処理を施した輝度温度もしくは物理量を格納した格子データプロダクト *4
センサ L3種別 空間解像度 処理方法*5
等緯度経度(EQR) ポーラーステレオ(PS) EASE-Grid(EG)
AMSR-E,
AMSR2,
AMSR3
高解像度 0.10 度 10 km ー 格子の中心位置から半径8km以内にある観測データを探して、最近隣のピクセルのデータを格納。
低解像度 0.25 度 25 km ー 格子の中心位置から半径18km以内にある観測データを探して、それらのピクセルの平均値を格納。
  1. このほか、未公開データとして、以下の2つの処理レベルがあります。
    Level 0 (L0) : 品質チェックフラグを付与した観測データ
    Level 1A (L1A) : ラジオメトリック補正処理と幾何補正処理によりレベル0データから変換したアンテナ温度カウント値と、アンテナ温度変換係数等を格納したシーン単位のプロダクト
  2. Swathデータは、各フットプリントのデータを、観測時刻順に、2次元配列(走査方向観測点×走査線数)に格納した形式です。 輝度温度や物理量などのデータのほか、品質情報や緯度・経度などがSwath形式で格納されています。
  3. L1B, L1R, L1C, L1H,L2の標準プロダクトは、地球半周分を1シーンとして、1つのファイルに格納されています。 シーンには、南から北へ向かう軌道(昇交軌道/Ascending)、北から南へ向かう軌道(降交軌道/Descending)の2種類があります。
  4. L3プロダクトには、昇交軌道/降交軌道別に、日単位プロダクトと月単位プロダクトがあります。 L3輝度温度プロダクトは、周波数帯ごとに1つのファイルになっており、それぞれに垂直偏波と水平偏波のデータが格納されています。 L3物理量プロダクトは、物理量ごとに1つのファイルになっており、関連するデータが格納されています。
  5. L3日平均プロダクトの時間的な統計手法は物理量によって異なり、平均処理、あるいは最新データの上書き処理が適用されます。
  • データカタログ
  • プロダクト概要
  • プロダクト

プロダクト

アルゴリズムや検証手法の成熟度や精度、これまでの提供実績に基づき、“標準” “研究” “試行”プロダクトを提供しています。

標準プロダクト

AMSRシリーズミッション達成に不可欠なプロダクトであり、かつ、アルゴリズムや検証評価手法が確立しており、標準精度を達成したことが検証されたプロダクトです。 標準プロダクトについては、“標準精度“と”リリース精度”を以下のように定義しています。
標準精度:先駆ミッションの実績を踏まえた、有用かつ標準的な精度。
リリース精度:気候変動解析に貢献しうるデータとしてリリースできる最低精度。
標準プロダクト一覧
プロダクト名
ID
格納物理量 領域 空間解像度 計測範囲 リリース精度 標準精度 備考
輝度温度
(L1B)
TBB
輝度温度(6-89GHz) 全球 5-50 km 2.7-340 K ±1.5 K ±0.3 K 海洋・晴天域について、AMSR2 または数値予報モデルの輝度温度推定を基準としてバイアス除去後の全球平均の昇交・降交軌道の差。
輝度温度(166, 183GHz) 全球 10 km 2.7-340 K ±1.5 K ±1.0 K
リサンプリング輝度温度
(L1R)
TBR
輝度温度(6-89GHz) 全球 5-50 km 2.7-340 K ±1.5 K ±0.3 K 海洋・晴天域について、AMSR2 または数値予報モデルの輝度温度推定を基準としてバイアス除去後の全球平均の昇交・降交軌道の差。
輝度温度(166, 183GHz) 全球 10 km 2.7-340 K ±1.5 K ±1.0 K
積算水蒸気量
TPW
海上積算水蒸気量 全球海洋 15 km 0-70 kg/m² 3.5 kg/m² 3.0 kg/m² 対GPS、ゾンデのRMSE
陸上積算水蒸気量 全球陸上
*
15 km 0-70 kg/m² 6.5 kg/m² 3.5 kg/m² 対GPS、ゾンデのRMSE
*植生域・雪氷域は除く
積算雲水量
CLW
積算雲水量 全球海洋 15 km 0-1.0 kg/m² 0.10
kg/m²
0.05
kg/m²
対光学センサのRMSE
降水量
PRC
降雨量 全球 15 km 0-20 mm/h 海 50 %
陸 120 %
海 50 %
陸 120 %
0.5 度格子相当の対GPM/DPR、地上レーダ網等の相対誤差
降雪量 全球 10 km 0-4mm/h 海 130%*
陸 200%*
海 130%*
陸 200%*
0.5 度格子相当の対GPM/DPR での相対誤差。*1mm/month 以上、月積算で評価。
海面水温
SST
6GHz
海面水温
全球海洋 50 km -2 -35 ℃ 0.8 ℃ 0.5 ℃ 対ブイのRMSE
10GHz
海面水温
30 km 0.6 ℃
多周波海面水温 30 km 0.6 ℃
海上風速
SSW
海上風速 全球海洋 15 km 0-30 m/s 1.5 m/s 1.0 m/s 対ブイのRMSE
全天候海上風速
ASW
全天候海上風速 全球海洋 50 km 0-70 m/s 7 m/s 5 m/s 対ドロップゾンデのRMSE (風速 15 m/s 以上)
海氷密接度
SIC
海氷密接度 極域海洋 15 km 0-100 % 10 % 10 % 対光学センサのRMSE
高解像度海氷密接度
HSI
高解像度海氷密接度 極域海洋 5 km 0-100 % 15 % 15 % 対光学センサのRMSE
土壌水分量
SMC
土壌水分量 全球陸上 50 km 0-40 % 10 % 5 % 対地上観測の絶対値平均誤差
積雪深
SND
積雪深
(積雪水量)
全球陸上 30 km 0-100 cm 20 cm 20 cm 対地上観測の絶対値平均誤差

データ配布

地球観測衛星データ提供システム(G-Portal)
標準プロダクトは、「地球観測衛星データ提供システム(G-Portal)」より提供しています。
データ取得には、ユーザ登録が必要です。

研究プロダクト

高度化、標準化を目指して、アルゴリズムや検証評価手法が研究段階にあるプロダクトと定義しています。このため、研究プロダクトについては、リリース精度のみを設定しています。
研究プロダクト一覧
プロダクト名
ID
領域 空間解像度 計測範囲 リリース精度 備考
中心位置補正済輝度温度
(L1C)
TBC
全球 5-50 km 2.7-340 K ±1.5 K 海洋・晴天域について、AMSR2 または数値予報モデルの輝度温度推定を基準としてバイアス除去後の全球平均の昇交・降交軌道の差
高解像度輝度温度(L1H)
TBH
全球 20-30 km 2.7-340 K ±1.5 K 6-89GHz のみ。海洋・晴天域について、AMSR2 または数値予報モデルの輝度温度推定を基準としてバイアス除去後の全球平均の昇交・降交軌道の差。
高解像度海面水温HST 全球海洋 20 km* -2 -35 ℃ 0.8 ℃ 対ブイのRMSE
*高解像度輝度温度を入力
地表面温度
LST
全球陸上 15 km 0-50 ℃ 森林 : 3 ℃
疎 な 植 生 域 : 4 ℃
対地上観測のRMSE
植生水分量
VWC
全球陸上 10 km 0-4 kg/m² 1.0 kg/m² 対光学センサ or 現場観測のRMSE
薄氷域検出
TSI
極域海洋 15 km N/A 80 % 30cm 以下の薄氷を検出。精度は正答率。
海氷移動ベクトル
SIM
極域海洋 50 km 0 - 40 cm/s 6 cm/s 南北・東西成分
  1. 積雪深と土壌水分は、最新バージョンを研究プロダクトとして配布しています。
  2. AMSR-E,2のみ研究プロダクト
このほか、研究者向けに、AMSR-E低速回転モードの輝度温度データを配布しております。

データ配布

AMSR研究プロダクト提供サービス
研究プロダクトは、「AMSR研究プロダクト提供サービス」より提供しています。 データ取得には、ユーザ登録が必要です。

試行プロダクト

試行プロダクト一覧
プロダクト 領域 空問解像度 計測範囲 精度 備考
薄氷厚 極域海洋 TBD 0-30 cm TBD 評価方法について、調整が必要
海氷厚 極域海洋 TBD 0-2 m(TBD) TBD
海氷表面の融解度
(メルトボンド割合)
極域海洋 TBD 0-100 % TBD
海氷種別
(一年氷・多年氷)
極域海洋 TBD N/A TBD 正答率として
高精度海氷密接度 極域海洋 25km 0-100 % 8% 対光学センサのRMSE
海面フラックスデータセット
(AMSR3+他衛星)
全球海洋 0.25度格子間隔 物理量による 海面での潜熱バイアス : ±5 W/㎡ 
海面での顕熱バイアス : ±5 W/㎡
日平均 L3 プロダクト。
要複数衛星データ。
検証はブイから計算したフラックスと比較
多年氷の海氷密接度
(AMSR3+散乱計)
極域海洋 25km 0-100 % リリース : 37%
標準 : 32% 
目標 : 25%
日平均 L3 プロダクト。要散乱計データ

データ配布

試行プロダクトは現在準備中です。
  • データカタログ
  • プロダクト概要
  • プロダクトの利用

プロダクトの利用

データフォーマットやサンプルプログラム、ツールなど、プロダクトの利用に関する情報は、AMSRsウェブの「使う」のページをご覧ください。
  • データカタログ
  • プロダクト概要
  • 関連文書

関連文書

AMSR3 アルゴリズム記述書(coming soon)
AMSR2 アルゴリズム記述書
AMSR/AMSR-E アルゴリズム記述書