地球が見える 2014年
南極海の海氷面積 観測史上最大に(速報)
南極海の海氷が、2014年9月20日、衛星による観測が始まった1970年代後半以降で最大の面積(2012.0万km2)を記録しました。これまでの最大面積記録は、2013年9月21日に記録された1949.5万km2で、今年はさらに62万km2(本州、四国、九州を合わせた面積の約2倍)増加したことになります。 図3は、人工衛星搭載マイクロ波放射計のデータを解析して算出した1978年から現在まで南半球の海氷面積の推移を示します。北極海の海氷面積とは対照的に、長期的に見ると南極海の面積は増加(66.6km2/日)傾向にあります。特に、2014年は、観測史上初めて2000万km2を超え、これまでで最も海氷域が拡大したことが分かります。 図4は、9月20日の海氷密接度分布と過去の気候値(1981-2010年の平均的な密接度分布)との差を見たもので、青色が気候値に比べて密接度が増加しているところ、赤色が減少しているところを表しています。この図から、南極周辺のほとんどの海氷縁で密接度が増加していることが分かります。特に、東経20-80度(図の右上)、東経130-西経140度(図の下側)のあたりで、2014年は低緯度側に大きく海氷が張り出しているのが特徴です。
今年の南極海の海氷面積が最大となった背景については、現在調査中です。9月の海氷最大時期に向けて南極海の海氷変動は、まだしばらく続きます。JAXAでは、今後も「しずく」による海氷の監視を続けていき、また「地球が見える」で最新の状況をご報告する予定です。
※1 海氷密接度:衛星の瞬時視野内に含まれる海氷域の面積割合(%) ※2 海氷面積:本稿で用いる海氷面積は、海氷が浮遊する海域の広さとして定義しており、海氷密接度15%以上の海域面積の総和をとったもの(km2)。 観測画像について
(図1)
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観測衛星: | 第一期水循環変動観測衛星しずく(JAXA) |
観測センサ: | 高性能マイクロ波放射計 AMSR2(JAXA) |
観測日時: | 2014年9月20日 |
(図3)
観測衛星: | 第一期水循環変動観測衛星しずく(JAXA) |
観測センサ: | 高性能マイクロ波放射計 AMSR2(JAXA) |
観測日時: | 2014年9月20日 |
関連サイト
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