ページの先頭です。
本文へジャンプする。
【重要なお知らせ】このページは過去に公開された情報のアーカイブページです。更新を終了しているため、リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。 最新情報については、新サイト Earth-graphy (earth.jaxa.jp) をご利用ください。
ここからサイト内共通メニューです。
サイト内共通メニューを読み飛ばす。
サイト内共通メニューここまで。
ここから本文です。

地球が見える 2014年

南極海の海氷面積 観測史上最大に(速報)

AMSR2が捉えた南極域の2014年9月20日の海氷密接度分布
図1 AMSR2が捉えた南極域の2014年9月20日の海氷密接度※1分布

南半球の海氷面積の季節変動(2014年9月23日現在)
図2 南半球の海氷面積※2の季節変動(2014年9月23日現在)

 南極海の海氷が、2014年9月20日、衛星による観測が始まった1970年代後半以降で最大の面積(2012.0万km2)を記録しました。これまでの最大面積記録は、2013年9月21日に記録された1949.5万km2で、今年はさらに62万km2(本州、四国、九州を合わせた面積の約2倍)増加したことになります。
北極海の海氷面積が近年減少傾向をたどる一方で、南極海の海氷面積は横ばいかわずかながら増加する傾向を示してきました。特に最近2年間は、2012年、2013年と最大面積記録を更新し続け、今年さらに3年連続で記録が更新されたことになります。
例年、南極海の海氷面積は、気温が最低となる9月中旬頃に最大期を迎えます。今後、気温が増加する春先に向けて減少傾向をたどると考えられます。したがって、9月20日の面積が、今年の最大面積になる見込みですが、今後も、面積の変動を水循環変動観測衛星「しずく」により観測し、監視を続ける予定です。

1978年から現在までの南半球海氷面積の長期変動 (一日毎の平均値)
図3 1978年から現在までの南半球海氷面積の長期変動 (一日毎の平均値)

 図3は、人工衛星搭載マイクロ波放射計のデータを解析して算出した1978年から現在まで南半球の海氷面積の推移を示します。北極海の海氷面積とは対照的に、長期的に見ると南極海の面積は増加(66.6km2/日)傾向にあります。特に、2014年は、観測史上初めて2000万km2を超え、これまでで最も海氷域が拡大したことが分かります。

2014年9月20日に「しずく」により観測された南半球海氷密接度の偏差分布(1981-2010年の平均的な海氷密接度分布との差)
図4 2014年9月20日に「しずく」により観測された南半球海氷密接度の偏差分布(1981-2010年の平均的な海氷密接度分布との差)

図4は、9月20日の海氷密接度分布と過去の気候値(1981-2010年の平均的な密接度分布)との差を見たもので、青色が気候値に比べて密接度が増加しているところ、赤色が減少しているところを表しています。この図から、南極周辺のほとんどの海氷縁で密接度が増加していることが分かります。特に、東経20-80度(図の右上)、東経130-西経140度(図の下側)のあたりで、2014年は低緯度側に大きく海氷が張り出しているのが特徴です。

今年の南極海の海氷面積が最大となった背景については、現在調査中です。9月の海氷最大時期に向けて南極海の海氷変動は、まだしばらく続きます。JAXAでは、今後も「しずく」による海氷の監視を続けていき、また「地球が見える」で最新の状況をご報告する予定です。
なお、南極海の海氷密接度の分布画像および海氷面積値情報は、JAXAの地球環境監視webサイト(JASMES)および極地研究所が開設している北極域データアーカイブweb上の海氷モニターViSHOP上で日々更新を行い、公開しております。
JASMESサイト
極地研究所ViSHOP

※1 海氷密接度:衛星の瞬時視野内に含まれる海氷域の面積割合(%)
下図のような、衛星搭載のマイクロ波放射計がある時刻に観測した瞬時視野(仮に10km×10kmとする)に占める面積の割合が海氷50%、海面50%である場合、その海域の海氷密接度を50%と定義する。図3で求めている北極平均海氷密接度とは、図1の海氷密接度について北極海全域で平均をとったもの。

北極域の陸域反射率及び海面輝度温度の合成画像(2014年8月13-28日)

※2 海氷面積:本稿で用いる海氷面積は、海氷が浮遊する海域の広さとして定義しており、海氷密接度15%以上の海域面積の総和をとったもの(km2)。



観測画像について

(図1)
観測衛星: 第一期水循環変動観測衛星しずく(JAXA)
観測センサ: 高性能マイクロ波放射計 AMSR2(JAXA)
観測日時: 2014年9月20日
AMSR2の6つの周波数帯のうち、36.5 GHz帯の水平・垂直両偏波と18.7GHz帯の水平・垂直両偏波のデータを元に、アルゴリズム開発共同研究者(PI)であるNASAゴダード宇宙飛行センターの Josefino C.Comiso博士のアルゴリズムを用いて算出された海氷密接度を表しています。データの空間分解能は25 kmです。

(図3)
観測衛星: 第一期水循環変動観測衛星しずく(JAXA)
観測センサ: 高性能マイクロ波放射計 AMSR2(JAXA)
観測日時: 2014年9月20日
AMSR2の海氷密接度と1981-2010年の平均的な海氷密接度との差を取ったもので、データの空間分解能は25kmです。

本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
画像:ページTOP