地球が見える 2007年
北極海の海氷 観測史上最少に
(参考:2007年8月16日付けJAXAプレスリリース「北極海での海氷面積が観測史上最小に」)。 図1は、海氷面積が最も小さくなる9月中‐下旬頃の最近2年間の海氷密接度の分布(左側、中央)と今年の8月22日現在の海氷密接度分布(右側)を並べたものです。まだ1ヶ月以上も前だというのに、今年の海氷分布は、史上最小面積を記録した2005年9月22日よりも小さくなっています。 なぜ今年は、このように融けるのが速いのでしょうか。今年の気象および海氷条件から推定される原因は、1)太陽が沈まない(白夜)6-7月の晴天率が高かったため、太陽光をより多くうけて海氷が暖められた、2)融解期を迎える前までに、極点に近い海域にまで薄い海氷が侵入し、融けやすい状態になっていた、3)夏季に海氷が融けてなくなった海域の海水温度が例年になく高くなっていた、ことなどが重なったと考えられます。
なお、北極海の海氷密接度の最新画像および過去に観測された画像は、JAXAが米国アラスカ州立大学北極圏研究センター(IARC)に設置しているIARC-JAXA情報システム(IJIS)を利用した北極圏海氷モニターで日々更新を行い、公開しております。
|