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地球が見える 2007年

北極海の氷 観測史上最小を更新

北極の海をおおう氷は、今年過去に例のない速度で減少を続け、最小面積の記録を更新し続けてきましたが、夏の終わりを迎え、氷が再度張り始めたことから、今年2007年9月24日に記録された425.5 万平方キロメートルが衛星の観測史上最小面積の記録となりました。以前最小面積を記録した2005年の約530万平方キロメートルに比べ日本列島約2.8個分の氷が消失したことになります。
図1 AMSR-Eが捉えた今年9月の北極海海氷面積の変動
図1では今月の北極をおおう海氷の移り変わりをアニメーションにて見ることができます。なお、図の中央の黒い丸の部分および細長い黒いひし形の部分は衛星で観測できない部分です。

図2 AMSR-Eによる2005年と2007年の北極海氷の分布
2005年と今年の北極の海氷の分布を図2として並べました。今年の特徴は、シベリア・アラスカ沖のあたりで2005年よりもかなり氷が減少していることです。また、いつもならば融けないカナダ北部のいくつもの島が浮かぶ多島海の海氷まで消失してしまい、今年の夏は太平洋−大西洋を結ぶ北極海の航路が長く開きました。(図3)これも衛星観測史上初めてのことです。

図3 MODISによる2007年夏の北極海

図4 AMSR-Eによる北極海氷の季節変動
図4はJAXAの観測センサAMSR-Eが観測してきた海氷の面積の季節変動を示したものです。2007年は7月上旬から急減に減少し始め、8月15日にそれまでの最小面積の記録を更新し、9月中旬まで一気に縮小を続けていました。ここ数日は小刻みな増減を繰り返していましたが、白夜の季節も終わりを迎え、これから融けることなく結氷し続けていくと考えられます。
このように過去に例を見ないほど北極海に海氷がない領域ができ、かつ白夜の6-8月に晴天が長く続いたことで、今年はたくさんの太陽光が北極の海に吸収され、熱として蓄えられました。北極圏にはこれから厳しい冬が訪れますが、暖められた海水により、海氷の成長が遅れるものと考えられます。来年の夏は一体どのような北極海の姿を我々の前に現すのでしょうか。JAXAではこれからも北極海の氷の成長と融ける状況を監視していきます。
なお、北極海の海氷密接度の分布画像および海氷面積値情報は、JAXAが米国アラスカ州立大学北極圏研究センター(IARC)に設置しているIARC-JAXA情報システム(IJIS)を利用した北極圏海氷モニターで日々更新を行い、公開しています。



観測画像について:
(図1及び図2、図をクリックすると二段階で拡大します)
観測衛星: 地球観測衛星Aqua (NASA)
観測センサ: 改良型高性能マイクロ波放射計 AMSR-E (JAXA)
観測日時: 2007年9月1日〜9月27日(図1)
2005年9月22日、2007年9月24日(図2)
空間分解能: 25km
いずれもAMSR-Eの6つの周波数帯のうち、36.5 GHz帯の水平・垂直両偏波と18.7 GHz帯の水平・垂直両偏波のデータを元に、AMSR/AMSR-Eのアルゴリズム開発共同研究者(PI)であるNASAゴダード宇宙飛行センターの Josefino C. Comiso博士のアルゴリズムを用いて算出された海氷密接度を表しています。

(図3、図をクリックすると二段階で拡大します)
観測衛星: 地球観測衛星Terra (NASA)
観測センサ: 中分解能撮像分光放射計 MODIS (NASA)
観測日時: 2007年8月16日〜9月15日
空間分解能: 9km
陸および海氷域について、1ヶ月間のMODISデータから晴天域の画像のみを合成した画像です。色付けは、MODISの 36 のチャンネルのうち、いずれも可視域のチャンネル1(620 〜 670 nm) に赤、チャンネル4 (545 〜 565 nm) に緑、チャンネル3 (459 〜479 nm) に青を割り当てて合成しています。このため、肉眼で見たのと同様に次のように見えています。また、海域は青色になるように合成しています。

緑色: 森林
白: 積雪または海氷
茶色: 砂漠

関連サイト:
AMSR/AMSR-Eページ
北極海の海氷 観測史上最少に
北極海の海氷域に出現した巨大ポリニア
縮小が進む北極海の海氷−2005年は観測史上、最小−
地球が見える 北極・南極
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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