インフラ変位モニタリング
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)・陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)に搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)の観測データを用いて、広域かつ定期的に観測できる衛星観測の特徴を活かした土木インフラの変位検出を行い、国や自治体が実施する土木インフラ管理の高度化・効率化に資するための研究を行っています(図a)。JAXAでは、基盤となる干渉SAR時系列解析アルゴリズム開発を含め、可視化が困難な変動量推定手法の開発・検証を行っており、これまでに、解析で検出した港湾施設の変状箇所確認(図b)、河川堤防の沈下量の計測を行っています(図c)。
インフラ変位モニタ
衛星で広域の観測を定期的に行うことで、要点検箇所となる変状箇所(赤丸)を抽出することが可能となり、実地で詳細点検を行う箇所の絞込みが可能となります。
*SAR衛星:陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)・陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)
港湾施設の変状把握
画像の赤丸が、経年微小変化の大きい箇所を抽出したもので、施設管理者より変状の可能性が指摘されていた箇所と一致しました。
河川堤防の変状把握
衛星による干渉SAR時系列解析で沈下傾向を定期的に把握し、管理者に情報提供することで補修計画や点検計画の立案等の意思決定に役立ちます。干渉SAR時系列解析結果が現場測量データに近い精度を得ており、沈下傾向を把握するための高度化に向けた研究開発を実施しています。