生態系
森林破壊や都市化、災害等により土地被覆変化が近年加速し、時々刻々と進行する土地被覆の変化をキャッチアップできる土地被覆図が求められています。このために必要となる衛星高次補正プロダクト、教師・検証情報データベース、分類アルゴリズムを開発し、大学や研究機関などとの連携を通しての品質の向上に取り組んでいます。
JAXAの過去・現在・将来の衛星データを活用し、光学・マイクロ波・能動・受動の多様なセンサを複合的に組み合わせた、世界初、総合的で高品質な土地被覆データセットを作成し、課題解決に貢献しています。
田殿 武雄
第一宇宙技術部門
地球観測研究センター
主任研究員
高解像度土地被覆図の開発
主に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)のAVNIR-2センサによる高次補正プロダクトを用いた高解像度土地被覆図の作成及び検証を実施し、動的な土地被覆変化を追うことで、これまでにない広域の10m解像度土地被覆図を提供しています。農地の変化等の評価査定に活用されています。
土地被覆分類リファレンスデータベースの整備(SACLAJ)
SACLAJ データベース
長期的な土地被覆変化の追跡するため、研究者や学生がウェブインタフェースから提供した地上情報踏査情報(現地写真など)と、衛星画像や空中写真、モニタリング情報などを集約したデータベースを構築しています。
全球25m分解能PALSAR-2/PALSARモザイクおよび森林・非森林マップ
EORCで開発した高精度・高速大量処理の解析技術を、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)および陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR・PALSAR-2)による、全世界のデータに適用して作成したデータセットです。森林/非森林マップの分類精度は、現場写真や高分解能の光学衛星画像などから取得した参照データとの比較により、84%以上であることを確認しています。