衛星と観測センサ
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EarthCAREは、日本と欧州の共同ミッションであり、衛星本体の開発や打ち上げ、衛星運用は欧州宇宙機関(ESA)が担当します。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)および情報通信研究機構(NICT)は、衛星搭載としては世界初の雲観測用ドップラーレーダである「雲プロファイリングレーダ(CPR)」の開発をおこないます。また、欧州宇宙機関は「大気ライダ(ATLID)」「多波長イメージャ(MSI)」「広帯域放射収支計(BBR)」の開発をおこないます。
赤字:アクティブ(能動型)センサ 青字:パッシブ(受動型)センサ
開発機関 欧州宇宙機関(ESA)/情報通信研究機構(NICT)/ 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
打ち上げ TBD (by ESA)
設計寿命 3年
質量 本体 約 1960 kg 推進剤 約 310 kg
平均消費電力 約 1645 W
データレート ~2.5 Mbps
姿勢制御 三軸、ヨーステアリング制御
衛星軌道 軌道種別 太陽同期準回帰軌道
降交点通過地方時 14:00
軌道高度 通常観測時 約 393 km (赤道上)
軌道傾斜角 97.05度
周期 約 92.5分
回帰日数 25日
現在開発中のため、詳細設計は変更される場合があります。

EarthCAREのミッション機器

機器名 機器概要 センシング方式
CPR
雲プロファイリングレーダ Cloud Profiling Radar (CPR)
JAXA/NICTの共同開発による世界初の衛星搭載ミリ波ドップラーレーダ。雲や弱い雨の鉛直分布や、上昇・下降運動を観測。
アクティブ方式
ミリ波帯(94GHz, Wバンド)のレーダ電波をパルス状に発信し、粒子などからの散乱信号を受信。
ATLID
大気ライダ Atmospheric Lidar (ATLID)
欧州開発の高スペクトル分解ライダー(HSRL)。 雲やエアロゾルの鉛直分布や形状情報を観測。
アクティブ方式
紫外域(355 nm)のレーザ光をパルス状に発信し、粒子などからの散乱信号を受信。
MSI
多波長イメージャ Multi-Spectral Imager (MSI)
欧州開発のプッシュブルームスキャナ方式光学センサ。 可視~熱赤外域に感度をもち、走査幅150 kmで雲やエアロゾルの水平分布を観測。 パッシブ方式 可視~熱赤外域7チャンネルにおける地球表面からの反射・放射を受信。
BBR
広帯域放射収支計 Broad-Band Radiometer (BBR)
欧州開発の放射収支計。 長波および短波帯域の放射収支エネルギーを観測。 パッシブ方式 短波帯域、長波帯域それぞれの広帯域における地球表面からの反射・放射を受信。

EarthCARE 衛星は、地球大気における雲とエアロゾルの3次元構造、およびそれらの相互作用の解明のため、「レーダ」「ライダ」「イメージャ」および「放射収支計」という、観測方式の異なる4種類の観測装置を搭載します。そして、4つの観測装置によるシナジー(同期)観測をおこなうことによって、対象の場所と時間がほぼ一致した各センサの観測データを取得します。

こうして得られた各センサの観測データは、高次処理アルゴリズムによって、センサ単独のプロダクトのみならず、2センサ複合プロダクト、3センサ複合プロダクト、4センサ複合プロダクトというようなセンサ複合プロダクトへと加工され、ユーザに提供されます。