EarthCAREの観測対象
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EarthCAREが想定する観測対象

雲は地上付近から上空1万数千メートルの高さまで、さまざまな種類のものが、時には何層にも重なりながら出現します。雲の存在時間や時間変化、雲粒が示す物理的特性や雲による放射収支に与える影響もそれぞれ固有であり、さらにエアロゾルの存在によってこのような雲の特性が影響を受け、変化することが知られています。地球環境における雲のふるまいはじつに複雑で、科学的にもよく解明されていないことがたくさんあります。

雲・エアロゾルによる放射特性の科学的な理解には、雲・エアロゾルそのものがもつ以下のような事象へのアプローチとデータ収集が必要であると考えられています。
エアロゾルの消散・吸収特性
雲の形状やオーバーラップ(上下の重なり)や含んだ地球規模での雲の構造
雲の水分量、雲粒子のサイズや形状、微小スケールでの雲の構造
夕日を受けると雲の立体構造が美しい
地上から見上げるとさまざまな形や大きさの雲を見つけることができる。夕日を受けると雲の立体構造が美しい色の輝きの変化や陰影の違いとして目に飛び込んでくることがあるが、立体的な視点とらえると雲の出現高度や厚さ、重なり方もさまざまである。

雲・エアロゾルによる放射特性の科学的な理解のために、EarthCAREの観測が想定している情報とは、具体的には以下のものです。

エアロゾルの分布および特性
  • エアロゾル層の発生状況と、それらにおける消散係数および境界層高度の鉛直プロファイル
  • 人為起源・自然起源の吸収性、および非吸収性エアロゾルの有無
雲の分布および特性
  • 雲の重なりを含めた鉛直分布における境界高度(雲頂・雲底高度)
雲の対流運動や氷晶の沈降を推定するための鉛直速度
ドリズルや弱い雨における降雨強度
広帯域、狭帯域において計測された大気上端での太陽放射および地球放射の放射輝度