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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるパキスタン集中豪雨被害の観測結果(10)
中央アジアのパキスタン北部において、2010年7月末から起きた集中豪雨により、インダス川流域の全域に渡り、洪水などの大きな被害が発生しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、2010年8月と9月初旬に観測を行った当該地域の継続調査として、9月28日15時13分頃(日本時間)および9月30日14時53分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*により現地の観測を実施しました。
図1は今回観測した画像全体の様子を示したもので、アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており人の目で見た色に近くなっています。西側拡大画像
東側拡大画像
図2は災害後の2010年9月28日と災害前の2009年9月25日に観測された画像から、河川が増水または冠水していると思われるAndo Khosa付近(Khairpurから西南西約130km)を拡大したものです。アブニール・ツーのバンド4, 3, 2を合成したフォールスカラー画像で表示しており、植生(赤色)と冠水域(水色および青色)が明瞭に区別できます。災害前後で比較すると、パキスタン南部では集中豪雨発生から2ヶ月経過していますが、冠水域がいまだ非常に広範囲に広がっていることがわかります。
図3は災害後の2010年9月30日と8月15日、災害前の2009年10月14日に観測された画像から、Chund Bharwana付近(首都イスラマバードから南南西約240km)を拡大したものです。災害前後で比較するといまだ冠水はしていますが、災害後の9月30日と8月15日を比較すると、広く冠水していたところに植生が戻っていることから、パキスタン北部では河川流路が分かる程水位が下がりつつあることが確認できました。
なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。
*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):
青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。今回取得した画像および過去の画像は全て0度で取得しました。
関連情報
光学センサ
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2010/9/14: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるパキスタン集中豪雨被害の観測結果(8)
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2010/8/17: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるパキスタン集中豪雨被害の観測結果(4)
2010/8/4: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるパキスタン集中豪雨の緊急観測結果
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