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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)によるパキスタンの大雨の緊急観測結果
2010年7月末に発生した記録的な大雨によりパキスタン国内で洪水が発生しました。報道によれば被災者は1500万人にのぼるといわれ、同国最大の被害をもたらしているということです。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では2010年8月5日14時45分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)の広観測域モードによる当該地域の観測を実施しました。本観測で得られた画像と、2010年7月19日に同モードで観測した画像とを比較し、大雨の影響を確認しました。
図2は、PALSARによる変化抽出画像です。この画像は大雨前(2010年7月19日観測)のPALSAR画像を赤色に、大雨後(2010年8月5日観測)のPALSAR画像を緑色と青色に着色してカラー合成したものです。 従って、大雨後暗くなった箇所は赤色に色づき、明るくなった箇所は水色に色づきます。
図3は被災者が35万にのぼるとされるパキスタン北西部のカイバル・パクトゥンクワ州のナウシェラ地区周辺の拡大図です。川の両岸が赤色になっている事がわかります。つまり、大雨後に画像が暗くなっている箇所になります。一般にSARでは水面などの平坦な面は暗く写る傾向がありますので、大雨によって川の両岸が冠水していることが推測されます。
図4はインダス川が合流している地点の拡大図です。インダス川両岸でかなりの範囲で赤色になっている事がわかり、図3と同じく、大雨によって川の両岸が冠水していることが推測されます。
関連情報
2010/8/17: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるパキスタン集中豪雨被害の観測結果(4)
2010/8/4: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるパキスタン集中豪雨の緊急観測結果
JAXA EORC