地球が見える 2009年
『空中の楼閣』マチュピチュ、ペルー
図1 マチュピチュの拡大図
(Google Earthで見るマチュピチュ(kmz形式、3.81MB、低解像度版)) マチュピチュの発見
図1はペルーにあるインカ帝国の遺跡、マチュピチュ周辺を拡大した画像です。マチュピチュ遺跡はインカ帝国の首都であったクスコから北西約80 km、ウルバンバ川沿いの標高約2,400 mの尾根にあります。山裾からマチュピチュ遺跡は見えないため、「空中の楼閣」あるいは「インカ帝国の失われた都市」と呼ばれてきました。 インカ帝国天文台の名残か
マチュピチュは結果的にスペイン人征服者に発見されず、略奪されなかったことにより古い儀式用の石等が残っており、生活様式を知るにはふさわしい場所です。当初は、スペイン人の侵略に抵抗した最後の砦と考えられていましたが、一説では、東西が開けており、太陽を崇めるインカ人にとって春分・秋分といった重要な出来事を観測する地点ではないかと考えられています。しかし、マチュピチュに関する多くの謎が未だに解明されていないのが現状です。 図2 遺跡の拡大図
図2は遺跡の拡大図です。遺跡は居住区と農業区で構成され、上半分(北側)が居住区遺跡、下半分(南側)が農業区です。農業区には40段の段々畑跡があり、居住区遺跡には約200戸の石の建物や神殿があります。マチュピチュ遺跡の最高点には高さ1.8 mの日時計と考えられている構造物(インティワタナ)があります。その北側の峰、ワイナピチュ山頂にも構造物(月の神殿)が残っていて、遺跡の一部とみなされています。 図3 マチュピチュの周辺図
図3はマチュピチュ周辺の画像です。ちょうどマチュピチュ付近には雲がかかっていません。蛇行しているウルバンバ川沿いは、周囲を山々に囲まれ、深い渓谷となっています。 写真 マチュピチュ遺跡とワイナピチュ山
写真はマチュピチュ遺跡農業区より居住区遺跡とワイナピチュ山を撮影したものです。断崖絶壁の上にマチュピチュ遺跡は築かれています。 観測画像について
AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図は、いずれも可視域のバンド3(610〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。
(図1、2) |