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地球が見える 2007年

集中豪雨がもたらした朝鮮半島の水害

図1 2007年8月の朝鮮半島の水害
朝鮮半島中部では、今月(2007年8月)7日から11日まで集中豪雨に見舞われ、田畑などへの浸水、線路・道路・橋の破壊、農業施設の流失による過去最大規模の水害が発生している模様です。JAXAでは今回の水害発生時と水害前の画像を比較し、水害の影響を調査しました。
図1はJAXAの地球観測衛星「だいち」が今年8月11日に捉えた画像と先月の7月25日に捉えた画像を合成し、水害の影響を「青」と「赤」で現したものです。図の左半分に大きく写っているのが、朝鮮半島中部です。合成されているのは、ほんのりと赤いまたは青い陸地の部分だけとなります。左側や右側の大きな赤色の部分と青色の部分は合成されていないか、海上の領域ですのでご注意下さい。

図2 コウォン
(Google Earthで見る北朝鮮・コウォン (kmz形式、1.70MB、低解像度版))
図3 谷山(コクサン)
図4 イチョン 図5 楊口(ヤング)
図2から図5において合成された陸地で青く見える部分は集中豪雨で河川が増水し、川幅が広くなっていると思われる領域です。一方、赤く見える部分が豪雨により土中の水分が増えていると思われる領域になります。これらの領域では、さらに被害が拡大する恐れがあります。

図2は岩手県花巻市とほぼ同緯度にある朝鮮半島東岸(北朝鮮)のコウォン周辺です。河口付近が青く見えていますので、かなり川が氾濫していると思われます。また、左上では川の近くの山が赤く見えておりますので、土中への水分量が多く、山崩れの可能性があります。
図3は山形県鶴岡市とほぼ同緯度にある朝鮮半島中西部(北朝鮮黄海北道)の谷山(コクサン)地域です。図左の河川がかなり青く見えておりますので、かなり川幅が広がったと思われます。穀倉地帯でもある黄海北道は3万7千ヘクタールの田畑が浸水したと言われており、北朝鮮の地域別でも最も大きな被害を受けているようです。
図4は朝鮮半島中西部のイチョンです。図中央の河川が曲がりくねったところで、丸く青く見えているところがありますが、河川が氾濫していると思われます。
図5は朝鮮半島の楊口(ヤング)です。韓国でも豊かな緑と水資源に恵まれた街で、ソウルから東海岸へ至る要衝の街です。この図でもかなり川幅が広がっている様子が見てとれます。

  北朝鮮では田やトウモロコシ畑の11%以上が流出したと伝えられており、農産物への深刻な影響が予想されます。



観測画像について:
(図1〜図5、図1及び図2をクリックすると二段階で拡大します)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR)
観測日時: 2007年8月11日午前02時05分頃(世界標準時)及び2007年7月25日午前02時03分頃(世界標準時)
地上分解能: 100m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
PALSARは天候、昼夜に影響されない能動型のマイクロ波センサです。洪水地域を観測した場合、水面は電波を全反射する可能性が高く画像が暗く見えます。適度に水分を含んだ土地は逆に明るくなります。図1〜5は洪水後の画像を赤、洪水前を緑、青に割り当てカラー合成をしました。この組み合わせでは青く見えるところが洪水後に水面が増えた部分、赤く見えるところが洪水後に土中の水分が増えている部分となります。

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
インドネシアのフェリーを沈没させた暴風雨
地球が見える 台風・洪水
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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