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地球が見える 2007年

世界の瀑布(その3) 大地を揺るがすイグアスの滝、アルゼンチン・ブラジル

図1 イグアスの滝周辺画像
(Google Earthで見るイグアスの滝 (kmz形式、1.3MB、低解像度版))
全体画像
図1は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が2007年1月に捉えたイグアスの滝周辺の画像です。アルゼンチンとブラジルの国境を流れるイグアス川が図中央で折れ曲がっていますが、そこで川が白くなっている箇所がイグアスの滝です。ナイアガラ、ヴィクトリアと並んで世界三大瀑布の一つに数えられ、およそ4 kmにわたって岸壁を分断して流れ落ち、その落差は80 mにも及びます。上流(右上)側は川幅が広く、川の水が赤みを帯びて濁っており、土壌を削りながら川が流れていることが見てとれます。観測時期が1月で、11〜2月の雨季に当たるので、水量が多く、滝として特に迫力があるようです。

図の上端と下端に2つの空港が見えますが、ブラジル側(上)はフォス・ド・イグアス国際空港、アルゼンチン側(下)はプエルト・イグアス空港です。
ブラジルとアルゼンチンの両国にまたがるここイグアス国立公園は、アルゼンチン側に約680 km2、ブラジル側に約1,850 km2の広さがあります。イグアスの滝を中心に周辺は亜熱帯性の密林で覆われているため、図のほとんどの地域は濃い緑色です。滝が巻き上げる水煙が周囲に降り注ぎ、動植物の宝庫として豊かな生態系を作り出しています。
イグアスの滝は1984年にアルゼンチン側が、そして1986年にブラジル側が国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)の世界自然遺産リストに登録されました。

図2 イグアスの滝拡大図
イグアスとは先住民の言葉で「大いなる水」という意味で、270以上の滝がおよそ4 ㎞にわたって連なる大瀑布を言い表しています。滝周辺には遊歩道があり、多くの滝を眺めながら散策することができます。最も有名な滝「悪魔の喉笛」は馬蹄形の断崖を流れ落ちる一連の滝の上流側にあり、ブラジル側とアルゼンチン側から眺めることができます。アルゼンチン側では観光トロッコ列車が、中央駅から悪魔の喉笛駅まで走り、各駅からは滝を眺められる遊歩道が続いています。
図3 イグアスの滝の立体視用画像(図1と異なり左側が北です)
(目が疲れないように、あまり長い時間、見ないでください。カラー印刷してから見る場合は、pdfファイルをご利用下さい。左目用pdfファイル右目用pdfファイルも用意しました。)
図3は地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1)搭載の光学センサのうち可視近赤外放射計(VNIR)が1997年7月に捉えたイグアスの滝を中心にした立体視用の画像です。上流の川幅広くゆったりとした流れがイグアスの滝で断崖を流れ落ち、狭い谷を流れ下っていく様子が見て取れます。

図4 ナイアガラの滝
(同縮尺)
図5 ヴィクトリアの滝
(同縮尺)
図6 イグアスの滝
(同縮尺)
図4〜図6はナイアガラ、ヴィクトリア、イグアスの各滝を同縮尺で表示した画像です。ナイアガラ・カナダ滝の落差は56 m、滝の幅は675 mで他の2つの滝程大きくはありませんが、年間を通しての水量、真冬の結氷と世界有数の観光地であることが特色です。ヴィクトリアの滝はまっすぐに伸びる断崖の幅1,700 mと流れ落ちる水の落差105 mは三つの滝の中で最大です。図6では滝の水しぶきで馬蹄形がはっきりしませんが、イグアスの滝は滝の幅すなわち大小300もの滝が連なる馬蹄形の断崖の総延長4 kmが三つの滝の中で最大です。落差も80 mとヴィクトリアの滝に次ぐ高さを誇っています。



参照サイト:
赤青メガネの作り方について(「榛名山を立体視」付録参照)

観測画像について:
(図1、2、6および全体画像)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2007年1月22日13時52分頃(世界標準時)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2 は4 つのバンドで地上を観測します。通常は、このうちバンド3(610〜690ナノメートル)、バンド2(520〜600ナノメートル)、バンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当ててカラー合成するので、肉眼で見たのと同じような色合いとなり、次のように見えています。
深緑: 森林
緑色や黄土色: 草地、畑地
灰色: 市街地、道路
青、褐色: 水面
白: 雲、滝
黒: データのないところ

(図3)
観測衛星: 地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1)
観測センサ: 可視近赤外放射計(VNIR)
観測日時: 1997年7月28日14時05分頃(世界標準時)
地上分解能: 18.3 m × 24.2 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
図3はVNIRの前方視の画像(赤)と直下視の画像(緑と青)を用いています。左目で衛星の前方を、右目で衛星の直下を見るので、右側が衛星の進行方向になり、左側が北の方向に対応します。図1、2では上側が北になっていますが、図3では左側が北になっているので、注意しましょう。

(図4)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2006年6月10 日16時14分頃(世界標準時)
地上分解能: 2.5 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

(図5)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2006年7月24日08時36分頃(世界標準時)
地上分解能: 2.5 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

観測衛星: 地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1)
観測センサ: 可視近赤外放射計(VNIR)
観測日時: 1997年4月1日08時47分頃(世界標準時)
地上分解能: 18.3 m × 24.2 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
世界の瀑布(その2) 大地の裂け目に落下するヴィクトリアの滝、ザンビア・ジンバブエ
世界の瀑布(その1) 虹色に染まるナイアガラの滝、アメリカ・カナダ
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
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画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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