ページの先頭です。
本文へジャンプする。
【重要なお知らせ】このページは過去に公開された情報のアーカイブページです。更新を終了しているため、リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。 最新情報については、新サイト Earth-graphy (earth.jaxa.jp) をご利用ください。
ここからサイト内共通メニューです。
サイト内共通メニューを読み飛ばす。
サイト内共通メニューここまで。
ここから本文です。

地球が見える 2006年

エジプト、ギザのピラミッドを立体視

図1 カイロ周辺
(Google Earthで見るカイロ (kmz形式、1.33MB、低解像度版))
図1は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のパンクロマチック立体視センサ(PRISM)が2006年6月に観測したエジプト、カイロ市周辺です。黒く見えるのは水域、濃いグレーは森林や農耕地、グレーは住宅地や市街地、白く見えるのは沙漠や乾燥した裸地です。

図1の下から左上に、黒い曲線となって見えるのはナイル川で、南から北へ流れており、ちょうどこのあたりがナイルデルタ(三角州)のつけねにあたります。この画像には4つの大きな中州が見えます。北の中洲の東に人工的な直線で北東へ続く、イスマイリヤ運河が見えます。真ん中の2つの中州は上がゲジーラ島、下はローダ島と呼ばれています。カイロ中心街はゲジーラ島を挟んでナイル右岸、東側に広がっています。ローダ島の南端には現存する最古のナイロメータ*が残っています。ローダ島の南の橋を渡ったナイル左岸、西側はギザの街並みがあります。そこから南西にまっすぐ延びるピラミッド通りが黒くかすかに見えます。その先の沙漠が広がり始めたところにギザのピラミッドがあります。ピラミッドというと広大な沙漠の真ん中にあるように思いますが、実は沙漠の端の、市街地のすぐそばにあることが分かります。

図2 ギザのピラミッド周辺
ピラミッド通りからつながる観光用の道路がクフ王の大ピラミッドの西側を通り、T字路を東(左折)に進むとスフィンクスがあります。また、西(右折)に進んでカフラー王のピラミッドに沿って歩いて行くと正面にメンカウラー王のピラミッドが見えてきます。

クフ王の大ピラミッドは元の高さは146mでしたが、現在は頂上部がなくなったため、137mとなっています。頂上には元の高さを示すための鉄の棒が立っているそうです。かつて表面は外装用の化粧岩で覆われていたそうですが、今では全部盗まれて、石がむき出しになっています。このピラミッドの南東側には王妃の小さめのピラミッドが、東西にはそれぞれ墳墓群が四角い箱を碁盤の上に並べたように整然と見えています。

カフラー王のピラミッドは三つのピラミッドの真ん中に位置しており、保存状態が良く、化粧岩も一部残っていて、エジプトで最も美しいピラミッドといわれています。高さは143mで、東側には葬祭殿が見えます。そこから参道が東の方に続いており、その先の河岸神殿の横には有名なスフィンクスがあり、わずかに陰が見えています。

メンカウラー王のピラミッドは高さ65.5mで、その南側に王妃の小さめのピラミッド3基を伴っており、陰が見えています。

図3 ギザのピラミッド周辺の立体視用画像
(目が疲れないように、あまり長い時間、見ないでください。カラー印刷してから見る場合は、pdfファイルをご利用下さい。左目用pdfファイル右目用pdfファイルも用意しました。)
左目に赤、右目に青のめがねをかけてギザのミラミッド群を見ると、3つのピラミッドが立体的に見えます。真正面よりも、少し右側から見ると自然な感じに見えます。また、ピラミッド群のあるところが緩やかな斜面になっていて、西に向かって徐々に高くなっていることが分かります。図右上には、中層の集合住宅群が立体的にくっきりと見えています。

ギザの三大ピラミッドとスフィンクスを含む「メンフィスとその墓地遺跡-ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯」は 1979年、国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)の世界文化遺産リストに登録されました。



(*)ナイル川はその昔、年1回大氾濫を起こしていました。ナイル川の中洲の上流部には水位の上昇を見るためのメーターが取り付けられており、洪水の警戒に役立てていました。

参照サイト:
赤青メガネの作り方について(「榛名山を立体視」付録参照)

観測画像について:
(図1〜図3)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2006年6月23日午前8時40分頃(世界標準時)
地上分解能: 2.5 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
 図1と図2は後方視の画像を、図3は直下視の画像(赤)と前方視の画像(緑と青)を用いています。図3の場合、左目で衛星の直下を、右目で衛星の前方を見るので、左側が衛星の進行方向になり、左側が南の方向に対応します。図1では上側が北になっていますが、図2と図3では右側が北になっているので、注意しましょう。

関連サイト:
アナグリフ方式による地形の実体視(国立沼津工業高等専門学校のサイト)
ALOS 解析研究ページ
アフリカ最高峰、キリマンジャロ山を立体視
榛名山を立体視
エジプトはナイルの賜物
メンフィスとそのネクロポリス - ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯[エジプト]
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
画像:ページTOP