地球が見える 2006年
エジプト、ギザのピラミッドを立体視
図1の下から左上に、黒い曲線となって見えるのはナイル川で、南から北へ流れており、ちょうどこのあたりがナイルデルタ(三角州)のつけねにあたります。この画像には4つの大きな中州が見えます。北の中洲の東に人工的な直線で北東へ続く、イスマイリヤ運河が見えます。真ん中の2つの中州は上がゲジーラ島、下はローダ島と呼ばれています。カイロ中心街はゲジーラ島を挟んでナイル右岸、東側に広がっています。ローダ島の南端には現存する最古のナイロメータ*が残っています。ローダ島の南の橋を渡ったナイル左岸、西側はギザの街並みがあります。そこから南西にまっすぐ延びるピラミッド通りが黒くかすかに見えます。その先の沙漠が広がり始めたところにギザのピラミッドがあります。ピラミッドというと広大な沙漠の真ん中にあるように思いますが、実は沙漠の端の、市街地のすぐそばにあることが分かります。
クフ王の大ピラミッドは元の高さは146mでしたが、現在は頂上部がなくなったため、137mとなっています。頂上には元の高さを示すための鉄の棒が立っているそうです。かつて表面は外装用の化粧岩で覆われていたそうですが、今では全部盗まれて、石がむき出しになっています。このピラミッドの南東側には王妃の小さめのピラミッドが、東西にはそれぞれ墳墓群が四角い箱を碁盤の上に並べたように整然と見えています。 カフラー王のピラミッドは三つのピラミッドの真ん中に位置しており、保存状態が良く、化粧岩も一部残っていて、エジプトで最も美しいピラミッドといわれています。高さは143mで、東側には葬祭殿が見えます。そこから参道が東の方に続いており、その先の河岸神殿の横には有名なスフィンクスがあり、わずかに陰が見えています。 メンカウラー王のピラミッドは高さ65.5mで、その南側に王妃の小さめのピラミッド3基を伴っており、陰が見えています。
ギザの三大ピラミッドとスフィンクスを含む「メンフィスとその墓地遺跡-ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯」は 1979年、国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)の世界文化遺産リストに登録されました。
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