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地球が見える 2004年

エジプトはナイルの賜物


画像の中央にはエジプトが、左側にはリビアの東部が、右上には、ヨルダンとイスラエルが捉えられています。画像の大部分は薄いオレンジ色ないし茶色に見える乾燥した沙漠ですが、南から北へ1本の緑の筋が走り、最後に扇のように広がっているのが印象的です。

これはアスワンハイダムでせき止められてできたナセル湖とその下流のナイル川両岸の緑地、そしてカイロ以北の肥沃な扇状地、いわゆるナイル・デルタを示しています。また、ナイル・デルタの左下の葉のように見えるところは、カールーン湖に注ぐ複数の支流の周りの広大で肥沃な地域で「ファイユーム」と呼ばれています。

紀元前500年ころにギリシャの歴史家ヘロドトスがその著書「歴史」に「エジプトはナイルの賜物」との記述を残しましたが、「エジプト」を「エジプトの緑地」と読み替えるとまさにぴったりです。

ナイル川は世界最長の川でその全長は6,650km(札幌〜鹿児島間の約4倍)に及びます。また、ナイル川沿いには、巨大ピラミッドを含む「メンフィスとその墓地遺跡」、ツタンカーメンの墓地を含む「古代都市テーベとその墓地遺跡」などいくつかの世界遺産があります。

サハラ沙漠のうち、茶色や赤茶色、あるいは灰色に見えるところは地肌や岩肌が露出しているところだと考えられます。また、白っぽいところは砂に覆われているところで、南北方向のたくさんの白っぽい筋は、風化によって形成された沙漠地域独特の地形を表しています。

さて、現在のサハラ沙漠は文字通り沙漠ですが、サハラ沙漠の各地で、見つかった1万2,000年前ころから6,000年前ころの岩石画から、当時は湿潤な時代で森林や草地があってキリンやゾウ、アンテロープ(ウシ科の草食獣)、サイもいて、狩猟が行われていたことがわかっています。そして約5,000年前ころからサハラ沙漠が乾燥し始めました。古代エジプトが繁栄した紀元前3,100年ころから紀元前525年の時期は、この乾燥化が進んだ時期に当たります。約7万年前から約1万2,000年前まではヴュルム氷期にあたり、この時期の南極の気温が現在よりも約8℃低かったことがわかっています。しかし、約1万2,000年前に氷期が終わり、気温が上昇したことで、大陸氷河が後退し、海面は上昇して、気温や降雨などの気候パターンが大きく変わり、現在のサハラ沙漠の姿になったのです。

関連ページ:
サハラ沙漠を吹き荒れる春の砂嵐
アフリカ縦断軌道からの観測 〜人類発祥の地と世界最古の沙漠を訪ねて〜


観測画像について
観測衛星:
環境観測技術衛星「みどりII」(ADEOS-II)
観測センサ:グローバルイメージャ(GLI)
観測日:2003年5月10日

可視光の観測波長帯の3つのチャンネル、赤色に相当する678nm(Ch.13)、緑色に相当する545nm(Ch.8)、青色に相当する460nm(Ch.5)のデータにそれぞれ赤、緑、青色を割り当てた、目で見た状態に最も近い合成画像です。元々の分解能は1kmです。
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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