ALOS基本観測計画 ユーザガイドライン - PALSAR -


背景
ALOSでは、打ち上げ前の段階で、3つのセンサそれぞれに対して、系統的な基本観測計画が作成されました。その計画は、緊急観測、校正・検証計画に次ぐ優先度を持っています。

JAXAやALOS海外ノードが指定したデータ配布業者や研究公募を通して、ALOSに観測計画を提出しようと考えている各分野のユーザ(実利用ユーザ、研究者等)は、観測モードの競合を避けるために、基本観測計画に沿った要求を出すことを推奨します。 基本観測計画は他の一般の要求より高い優先度を持つことから、計画に沿った要求を出すことで高い確率でデータ取得が可能となります。

PALSAR観測計画の特徴
PALSARの観測計画は4つの基本観測モードを持ち、そのうち3つのモードは上昇軌道(夜) で、もう1つのモードは下降軌道(昼) で運用されます。下の表に、衛星の上昇、下降軌道それぞれの回帰ごとの標準観測モードを示します。

PALSARの回帰ごとの基本観測モード
Cycle # Start date PALSAR
Ascending Descending
1 Commissioning Commissioning
2
3 19-Apr-06 Cal / Val Cal / Val
4 4-Jun-06
5 20-Jul-06
6 4-Sep-06
7 20-Oct-06 Any mode ScanSAR HH
8 5-Dec-06 HH 34.3° ScanSAR HH
9 20-Jan-07 HH 34.3° ScanSAR HH
10 7-Mar-07 POL 21.5° ScanSAR HH
11 22-Apr-07 POL 21.5° ScanSAR HH
12 7-Jun-07 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
13 23-Jul-07 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
14 7-Sep-07 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
15 23-Oct-07 Any mode ScanSAR HH
16 8-Dec-07 HH 34.3° ScanSAR HH
17 23-Jan-08 HH 34.3° ScanSAR HH
18 9-Mar-08 HH 34.3° ScanSAR HH
19 24-Apr-08 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
20 9-Jun-08 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
21 25-Jul-08 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
22 9-Sep-08 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
23 25-Oct-08 Any mode ScanSAR HH
24 10-Dec-08 HH 34.3° ScanSAR HH
25 25-Jan-09 HH 34.3° ScanSAR HH
26 12-Mar-09 POL 21.5° ScanSAR HH
27 27-Apr-09 POL 23.1° ScanSAR HH
28 12-Jun-09 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
29 28-Jul-09 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
30 12-Sep-09 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
31 28-Oct-09 Any mode ScanSAR HH
32 13-Dec-09 HH 34.3° ScanSAR HH
33 28-Jan-10 HH 34.3° ScanSAR HH
34 15-Mar-10 HH 34.3° ScanSAR HH
35 30-Apr-10 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
36 15-Jun-10 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
37 31-Jul-10 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
38 15-Sep-10 HH+HV 34.3° ScanSAR HH
39 31-Oct-10 Any mode ScanSAR HH
40 16-Dec-10 HH 34.3° ScanSAR HH
41 31-Jan-11 HH 34.3° ScanSAR HH
42 18-Mar-11 POL 21.5° ScanSAR HH
43 3-May-11 POL 23.1° ScanSAR HH
衛星回帰の始まりは、衛星打ち上げが2006年1月を仮定

衛星のデータダウンリンクリソースの制限で、一回帰(46日)の間で全球のデータを取得することができないため、全球観測はほとんどの場合、2回帰に分けて行われます。ある回帰で、どの領域がどの観測モードで観測されるかというような詳細な情報については、以下のリンク先を参照してください。

ユーザガイドライン
JAXAやALOS海外ノードが指定したデータ配布業者や研究公募を通して、ALOSに観測要求を提出しようと考えている各分野のユーザ(実利用ユーザ、研究者等)は、観測モードの競合を避けるために、基本観測計画に沿った要求を出すことを推奨します。 基本観測計画は他の一般の要求より高い優先度を持つことから、計画に沿った要求を出すことにより、高い確率でデータ取得が可能となります。

すでに計画されている高優先度の観測計画を最大限に生かすため、そして要求の観測モードの違いによる競合を避けるためにも、以下に書かれた簡単な手順に従って要求を出すことを推奨します。

ステップ1: あなたの希望する要求領域と要求モードが、基本観測計画の中に含まれているかどうかをチェックしてください。

  • 上のから、都合のよい時期と観測モードの組み合わせを探し、その回帰番号を見つけてください。
  • 上の表だけでなく上昇軌道 または 下降軌道 のプロット図もご利用ください。

ステップ2、ケース1: あなたの希望する領域がPALSARの基本観測計画に入っていた場合

  • あなたの側から行うことはありません。そのエリアは基本モードですでに取得される計画になっています。
  • すでに基本シナリオで計画されている場所(と時期)に対して、異なる観測モードで新規要求を出しても、観測モードの競合で取得することはできません。

ステップ2、ケース2: あなたの希望する領域が計画されていなかった場合

  • あなたは新しい観測要求を出す必要があります。に示された基本観測モードと観測時期に従って、要求を出すことを強く推奨します。
  • 基本観測モードと競合するモードの要求を出すこと自体はかまいませんが、間接的な影響が心配されるため、できるだけ控えてください。

ステップ2、ケース3: あなたの希望する領域が計画されているかどうか分からない場合、または計画されている領域とされていない領域の境界にある場合。

  • 観測モードを基本観測計画と同じモードにして、あなたの希望する領域の要求を出すことをお勧めします。
  • 観測モードが異なる要求は、競合のため取得することができません。

ステップ3: 基本モードにないモードの要求

  • 1年に1回帰、基本モードが設定されていない回帰(上昇軌道、回帰7,15,23)があるので、その回帰を利用してください。

その他の情報

  • ALOSは1回帰(46日間)で671周(パス)、地球を回ります。
  • 8回帰が約一年(368日)になります。
  • 1-2回帰:初期チェックアウト期間
  • 3-6回帰:初期校正期間(厳密には6回帰途中まで)
  • 7回帰以降:定常観測期間(基本観測計画開始)
  • 打ち上げ前に行われた取得率の見積もりでは、基本観測計画の取得率は80~90%となっています。