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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるハイチ大地震の経過観測(3)

2010年1月13日(水)午前6時53分頃(日本時間,以下同じ)に中米のハイチでマグニチュード(M)7.0、震源の深さ約10kmの大地震が発生し、建物倒壊などにより大きな被害が出ました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)ではその後の復興状況の把握を目的として、2010年6月11日に引き続き2010年6月28日(月)0時29分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のパンクロマチック立体視センサ(プリズム)と高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)による観測を実施しました。
図1: 2010年6月28日に観測したアブニール・ツー画像
図1: 2010年6月28日に観測したアブニール・ツー画像
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観測日時: 2010年6月28日 0時29分頃(日本時間) センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー) ポインティング角度: 0.0° 黄枠: 図2, 図3の拡大画像の範囲

図2、3は地震発生後の2010年1月25日、2010年3月28日、2010年5月13日、2010年6月28日に観測されたプリズムとアブニール・ツー画像から作成したパンシャープン画像*を用いて、現在までの変化が分かるようにアニメーションを作成しました。
図2はCarrefour付近の2010年1月25日、2010年3月28日、2010年5月13日、2010年6月28日の画像をアニメーション表示したもので、約1秒間隔でそれぞれの画像が切り替わります。これを見ると約5ヶ月間のうちに建物などが増減する様子がより明確に分かります。また、地震発生直後は市街地が散乱した印象ですが、時間の経過とともに街路の区画が明確になってきているようにも見えます。
図2: Carrefour付近のアニメーション(2.5km四方)
図2: Carrefour付近のアニメーション(2.5km四方) (約1秒間隔で2010年1月25日, 2010年3月28日, 2010年5月13日, 2010年6月28日の画像が切り替わります)
図3はMariani付近の2010年5月13日と2010年6月28日の画像をアニメーション表示したもので、約1秒間隔でそれぞれの画像が切り替わります。この画像から、農耕地の様子が変化していることを確認することができます。このことから、Mariani付近の人々は通常の生活に戻りつつあると推測されます。
図3: Mariani付近のアニメーション(2.5km四方)
図3: Mariani付近のアニメーション(2.5km四方) (約1秒間隔で2010年5月13日と2010年6月28日の画像が切り替わります)

JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

* プリズムとアブニール・ツーによるパンシャープン画像とは

プリズムとアブニール・ツーによるパンシャープン画像とは、2.5mのものが識別できる能力(地上分解能)を持つプリズムと、地上分解能10mですがカラー情報を持つアブニール・ツーを用いて、擬似的に地上分解能2.5mのカラー画像にしたものです。

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