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地球が見える 2011年

桜島と鹿児島

桜島とその周辺
桜島とその周辺
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図1 桜島とその周辺

 図1は、ALOS(だいち)が2008年11月に撮影した桜島とその周辺の画像です。画像中央に写っている湾が鹿児島湾(錦江湾(きんこうわん)とも呼ばれています)で、その中に見える島が桜島です。桜島の東側は大隅半島に接しています。海を挟んだ西側は薩摩半島です。鹿児島湾に面した市街地、左から鹿児島市、姶良市(あいらし)、霧島市が見て取れます。なお、桜島は鹿児島市に属しています。
鹿児島市の北方約30 km離れて鹿児島空港が見えています。また南方約20 kmの鹿児島湾沿岸に四角い埋立地が見えます。ここは喜入石油基地で、日本の石油消費量の約2週間分に相当する、735万klの貯油能力があります。
画像右上には、23座の火山群と6つの山頂火口湖を擁する霧島連山が見えています。温泉地として有名ですが、天孫降臨(てんそんこうりん)神話の地としても知られています。

桜島の全景
桜島の全景
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図2 桜島の全景

 図2は、桜島の全景です。桜島は、1914年の噴火により対岸の大隅半島と地続きになりました。現在、大隅半島とは道路で、鹿児島市とはフェリーで結ばれています。
桜島は北岳(1,117 m)、中岳(1,060 m)、南岳(1,040 m)からなる火山島で、面積は約80 km2あります。画像中央の茶色い部分が溶岩と火山灰に覆われた山頂部です。山頂部には複数の大きな火口が丸く見えています。画像で白く見える部分は噴煙で、現在、南側の火口を中心に噴火を繰り返しています。気象庁では、活動が特に高いランクAの火山に指定するとともに、定点での観測を実施しています。2009年には548回の噴火を記録、2010年は10月までに既にこの記録を更新しており、10月には噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられています。
噴煙により吹き上げられた火山灰が、市民生活に多大な影響を及ぼしていることから、鹿児島県では、降灰状況の観測を行っています。

鹿児島市中心部の拡大画像
鹿児島市中心部の拡大画像
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図3 鹿児島市中心部の拡大画像
(Google Earthで見る鹿児島市中心部(kmz形式、5.54 MB低解像度版))

 図3は、鹿児島市の中心部の拡大画像です。画像の中央部分を流れているのが、甲突川(こうつきがわ)です。かつては、5つの大きなアーチ石橋が架かり、「甲突川の五石橋」として親しまれていましたが、1993年の集中豪雨による洪水で2つの橋が流失しました。画像の右上にある石橋記念公園には、残った3つの橋が移設され、五石橋の歴史や技術等を伝えています。
画像の中央にL字を倒したような建物がみえますが、そこが鹿児島中央駅です。以前は西鹿児島駅と呼ばれていましたが、九州新幹線の開業に伴い、名称を変更しています。鹿児島本線は、北から南の方向に走っていますが、新幹線は、西の方角に進み、すぐにトンネルで山の下を走っています。
鹿児島本線を北へ進み甲突川を渡り、方角を変えた先に緑地が見えますが、一帯は城山公園で、西郷隆盛が1877年、西南戦争の際に自刃した洞窟があることで有名です。
鹿児島中央駅から北東に走っている道路が市電の走っているメインストリートで、鹿児島市の繁華街である天文館があります。その先の海岸には、桜島へのフェリー乗り場が見えています。

九州新幹線

 現在、九州新幹線は鹿児島ルートのうちの、鹿児島中央駅と熊本県八代市の新八代駅の間で開業しています。新八代駅から福岡県の博多駅までは在来線の特急に乗り継ぎ、鹿児島中央駅と博多駅は約2時間10分で結ばれています。
新八代駅と博多駅の間は2011年3月12日に開業が予定されています。鹿児島ルートが全線開業すれば、鹿児島中央駅と博多駅は約1時間20分で結ばれる予定です。

天文館

 天文館の名前の由来は、1779年に島津重豪(しまづ しげひで)が、天文観測所「明時館(めいじかん)」を設置したことによります。
江戸時代、幕府が暦を統一した後も、薩摩藩だけは薩摩暦を使用していました。重豪は藩の暦が正確であるように、明時館を造らせたのです。天文館通りのアーケード内には「天文館跡の碑」があります。



観測画像について

観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)及び
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2008年11月13日11時06分頃(日本時間)(AVNIR-2、PRISM同時観測)
地上分解能: 10 m(AVNIR-2)および2.5 m(PRISM)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

濃緑: 森林
明るい緑: 草地
青灰色: 市街地
茶色: 裸地
青: 水域
白: 建物、人口構造物、噴煙

(図2〜3)
PRISMは地表を520〜770 ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。
AVNIR-2の、バンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5 mのカラー画像を作成することができます。図2〜3はこのように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。

本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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