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地球が見える 2010年

水没の危機に直面するツバル諸島

ツバル諸島のフナフチ島
ツバル諸島のフナフチ島
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図1 ツバル諸島のフナフチ島

 図1は、2009年1月18日にALOS(だいち)が撮影した、ツバル諸島のうちの最大のフナフチ環礁です。南北約25 km、東西約18 kmの礁湖のまわりを小島が囲んでいるのが分かります。その中で最大の島は右端にあるフナフチ島で、ここに首都フナフチがあります。
ツバル諸島は、南太平洋のフィジーの北、約1,000 kmにある4つのサンゴ礁に囲まれた島と5つの環礁から構成されています。諸島全体の面積は約26 km2で、バチカン、モナコ、太平洋にあるナウルに続いて、世界で4番目に小さい国です。1892年にエリス諸島という名前で、北北西にあるギルバート諸島と一緒にイギリスの保護領となり、1915年にはイギリスの植民地となりました。ギルバート諸島(現在は、キリバス共和国の一部)はミクロネシア系民族が多く住んでいるのに対して、ツバルはポリネシア系が多く住んでいます。このため、1975年に分離しました。1978年には、イギリス連邦の一員として独立が認められましたが、ミニ国家の1つです。

フナフチ環礁の拡大図
フナフチ環礁の拡大図
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図2 フナフチ環礁の拡大図
(Google Earthで見るフナフチ環礁(kmz形式、3.04 MB低解像度版))

 図2はフナフチ環礁の拡大図です。東端のフナフチ島が折れ曲がったところが首都フナフチで、ツバル唯一の空港があります。実際には、舗装された少し広めの道路が一本あるだけで、照明や誘導灯の類はありません。フィジーの首都スバと結ぶ航路を、エア・パシフィックが週2便運行しています。普段の滑走路は、島内唯一の広場であることから、島民の憩いの場であり、サッカーの練習場にもなっています。
ツバルという国名は、ツバル語で「成る」を意味するTuと、「八」を意味するValuを組み合わせたもので、「八つの島からなる国」という意味になります。1978年、ツバルは人の住む八つの小さな島から成る国でスタートしました。その後、独立時には定住者がいなかったニウラキタ島にも人が移り住んだため、現在のツバルを構成する島の数は九つになっています。国名はそのままなのですが、国旗には島の数を反映して、九つの星をちりばめたデザインに変更されています。

ツバルの経済

 諸島全体で、1万人程度が生活していますが、水は雨水を利用しています。天然資源がほとんどないため、国家財政の収入は、出稼ぎ船員等からの海外送金が主となっています。財政赤字をツバル信託基金(ツバル、イギリス、オールトラリア、ニュージランドの拠出により1987年に設立)の運用益で補てんしています。また、漁業協定によるアメリカ政府からの支払い、さらにインターネットのドメインコード「ドットTV(.tv)」を貸与して使用権収入を得ていますが、世界経済の低迷で厳しい運営を迫られています。

水没の危機

 海水面が上昇すると水没の危機に見舞われる国には、キリバス共和国(南太平洋)、モルディブ(インド洋)がありますが、ツバルもその1つです。満潮時には、地面から水が湧き出して住居や道路が浸水する現象が起きています。その原因は、飛行場建設の際に掘り起こして出来たくぼみからの湧水、低い土地に人が住むようになったこと、生活排水による汚染で砂を形成する有孔虫が激減したこと、などが指摘されています。しかし、ツバルでは、一番水面から高いところでも4.5 mしかないため、海水面の上昇の影響を一番受けやすい国とみなされています。このためニュージランドへの移民も行われています。我が国も、海岸保全、防災、代替エネルギーといった分野で協力を実施しています。



観測画像について

観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2009年1月18日22時29分頃(世界標準時)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図はAVNIR-2の、バンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当てカラー合成したものです。この画像では、肉眼で見たのと同じ様な色合いとなり、次のように見えています。

灰色: 市街地、道路
緑色や黄土色: 草地、裸地
濃い緑: 樹木
濃い青: 深海面
明るい青緑: 浅海面
白: 砂、雲

本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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