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地球が見える 2007年

音楽とハプスブルク家の都、ウィーン

図1 ウィーンとその周辺
図1は、ローマ帝国創設の時代にゲルマン民族との防衛線だったドナウ川流域の要衝の街(ヴィンドボナ)として、そのローマ帝国の分裂後はハプスブルク家(12世紀-19世紀)によって繁栄を極めたオーストリア共和国の首都ウィーン(人口約160万人)の周辺です。ウィーンは首都であるとともに九つあるオーストリアの州の一つです。ドナウ川はドイツ南西部の北アルプスからルーマニアの黒海沿岸へとそそぎ、ボルガ川に次ぐヨーロッパ第2の長さ (約2,900km)を誇ります。しかし、今のドナウ川は特に中流と下流で環境汚染が進み、ヨハン・シュトラウス2世が140年前に作曲したワルツ「美しき青きドナウ」の面影は少ないようです。
図の左半分の濃い緑の地域は、ところどころに葡萄畑を含む広大なウィーンの森です。 そして図の右半分および上部は広大な畑となっており、自然豊かなことがわかります。  ヨーロッパの街は川沿いに発展した街が多いですが、ここウィーンも前面にドナウ川、そして後背にウィーンの森があることから他民族からの攻撃に対し守りやすかったものと考えられます。
ウィーンの街は数多くの音楽家に愛され、このウィーンの森ではベートーヴェンが田園交響曲の楽想を得たと言われています。図の右のドナウ川の下に白く写っているのはウィーン国際空港です。ウィーン市内からは20kmぐらいしか離れておらず、ヨーロッパのハブ空港として多くの航空路線が開設されています。

図2 ウィーン市街近郊
図2はウィーンの市街近郊です。ドナウ川の上側に弓状の運河が見えますが、その運河とドナウ川に挟まれた地域にあるのが、ニューヨーク、ジュネーヴと並ぶ国際都市ウィーンの証である国際連合の複合施設ウィーン国際センター、通称ウノシティ(UNO-City)です。ウィーンには多くの国際機関が集まっており、日本政府の在ウィーン国際機関日本政府代表部のほか、国際連合ウィーン事務局(UNOV)、石油輸出国機構(OPEC)、国際原子力機関(IAEA)などが居を構えています。
ちょうどその反対の下側にも運河が伸びているのが見えますが、そこがウィーンの旧市街です。その右に広大な緑地が見えているのがプラーターと呼ばれる昔の狩猟場だったところで、18世紀にヨーゼフ二世により市民に一般開放されて以来、ウィーン市民の憩いの場となっています。ウィーンを舞台としたサスペンス映画「第三の男」に登場する大観覧車を含む大きな遊園地はここにあります。
ウィーン市街と国際空港との間にはウィーンの共同墓地である中央墓地があって、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ヨハン・シュトラウス父子など多くの音楽家が眠っており、モーツァルトの記念碑があります。
図左に十字架のように見えているのがハプスブルク家の夏の離宮シェーンブルン宮殿です。シェーンブルン宮殿は1695年にレオポルト1世が狩猟用の森にバロック様式で建築し、その後ロココ様式に統一されました。シェーンブルン宮殿は1996年に国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)の世界文化遺産として登録されました。

図3 ウィーン市中心
(Google Earthで見るウィーン (kmz形式、4.24MB、低解像度版))
図3のドナウ運河の下に環状に見えるのが一周5 kmほどのリングと呼ばれる環状道路で、中世のウィーン市街の城壁・濠のあったところです。その内側が旧市街で2001年に同様に世界文化遺産として登録されました。ウィーン市街は23の区に分かれており、このリングの中が第一区インネレシュタットです。重要な美術施設のほとんどがこの一区に集まっております。ウィーン旧市街のほぼ中央にはオーストリア最大のゴシック寺院であるシュテファン寺院があります。高さ61mの北塔と137mの南塔の二つの尖塔が特徴です。
その西に見えているのがハプスブルク家の滅亡する1918年まで居城だった王宮ホーフブルクです。広大な敷地の中に18の建物と2,500以上の部屋があります。現存する13世紀最古の建物であるスイス宮をはじめ、15世紀の王宮礼拝堂、16世紀のアマリア宮、17世紀のレオポルト宮、19世紀の新王宮など見所満載です。
ホーフブルクの南東には世界三大歌劇場の一つと言われるウィーン国立歌劇場(オペラ座)があります。
リングをはさんだホーフブルクの南西側には歴代のハプスブルク家が収集した美術品を収蔵する美術史博物館があります。大きな広場が見えていますが、16世紀の女帝マリア・テレジアの名を冠した広場です。広場の反対には同じような形をした自然史博物館があります。広場の南西側にもレオポルト美術館などがあるミュージアム・クォータ・ウィーンと呼ばれる複合文化施設があります。
旧市街の北には多くのノーベル賞受賞者を輩出している1365年創立のウィーン大学が見えます。リングの下部には駅舎のアールヌーボー建築が有名なカールス・プラッツ駅があります。ウィーン国際空港と乗り継ぎが良いのはウィーン・ミッテ駅です。特急シティエアポートトレイン(CAT)により16分で到着できます。リングの右下には「美しい眺め」という意味のベルヴェデーレ宮殿が見えています。オスマン・トルコ軍を撃退したオイゲン公が建てたバロック式の離宮で、上宮と下宮の二つの宮殿で構成されていますが、現在は両方とも美術館となっています。二つの宮殿の間にはフランス式庭園が広がっており、北側の庭園にはスフィンクスの像が鎮座しています。



観測画像について:
(図1〜図3、図をクリックすると二段階で拡大します)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2007年7月27日10時01分頃(世界標準時)
地上分解能: 10m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図1 〜図3 は、いずれも可視域のバンド3 (610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520 〜 600ナノメートル)とバンド1 (420 〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

深緑色: 森林
明緑色、黄土色、茶色: 草地、農地
青っぽい灰色: 市街地、道路
赤色: 家の屋根
白色: 建物
紺色、灰色っぽい緑:
黒: データのないところ

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
宇宙から見える噴水:スイス、ジュネーヴ
ドイツ、バイエルン州の州都:ミュンヘン
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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