地球が見える 2004年
アニメで見る浅間山の噴煙
本年(2004年)9月1日から始まった浅間山の今回の火山活動がまだ続いている様子を、NASAの地球観測衛星TerraとAquaに搭載されているMODISセンサが捉えました。図1は良く晴れ上がった関東甲信地方を捉えており、左上の浅間山から白い噴煙が南の方向におよそ25km延びている様子が分かります。また、左下には、頂上に雪をかぶった富士山が、上には日光の山々が、右上には筑波山がそれぞれ見えています。標高の高い山岳地帯は茶色っぽく見えており、紅葉が進んでいることが分かります。
図2は、11月5日から12月3日までの晴れた日の浅間山の噴煙の様子をアニメーションで見ることができます。日によって、噴煙のある/なし、噴煙の長さ、噴煙の方向が異なりますが、季節風のため、南ないし南東方向に噴煙が延びることが多くなっています。浅間山の風下に当たる地域では降灰に注意する必要があります。 日本付近では、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレートの4つのプレート(*1)がひしめき合っていて、フィリピン海プレートはユーラシアプレートの下に、太平洋プレートは北米プレートとフィリピン海プレートの下に、それぞれ1年に数cmの速度で潜り込んでいます。この潜り込みに伴う摩擦熱で、プレート自身が融けたり、摩擦によってプレートから生じた水分がプレートを融かしたりして、マグマが発生します。マグマは比重が軽いため、上昇して、火山をつくります。日本列島は複数のプレートが潜り込んだところにあるので、火山が多く、およそ800ある世界の活火山のうち、日本には1/10の活火山があります(*2)。日本列島に日本人の祖先が住み始めたのは、3〜2万年前のこと(*3)ですが、それ以来、私たちは火山灰などの被害に悩まされつつ、一方では、観光資源となる美しい風景や温泉、ミネラル水などの地下資源の恩恵を受け、火山と共生してきたのです。 参考文献・サイト: (*1)気象庁の解説ページ (*2)力武常次著「簡明 地球科学ハンドブック」聖文社1992 (*3)国立科学博物館のサイト「日本人はるかな旅展」
関連サイト: 宇宙から見た浅間山 MODIS準リアルタイム画像 (250m→Tokyowanと進んでください。画像の左上に浅間山があります。) 有珠山情報 衛星画像ギャラリー 三宅島情報 |