ページの先頭です。
本文へジャンプする。
ここからサイト内共通メニューです。
サイト内共通メニューを読み飛ばす。
サイト内共通メニューここまで。
ここから本文です。

地球が見える 2012年

オホーツク海の流氷観測

マイクロ波放射計による観測から得られたオホーツク海の海氷の様子
(a)2012 年1月17 日(b)2012年2 月18 日(c)2012 年3月8日(d)2003 年3 月8日
図1 マイクロ波放射計による観測から得られたオホーツク海の海氷の様子
( (a)〜(c)はWindSat、(d)はAMSR-Eによる観測)

 図1(a)〜(c)は、衛星搭載型マイクロ波放射計によって捉えられた、今年のオホーツク海の流氷の様子です。WindSat*3は、改良型高性能マイクロ波放射計AMSR-E*1と同様に、地球から放射されるマイクロ波の観測を行う装置です。マイクロ波は雲を透過するので、天候に左右されずに流氷を観測できます。図1に表示されている色は海氷の密接度*2を表し、赤で示すほど氷が密集しています。今年の冬は、日本海側では大雪となりましたが、オホーツク海の海氷も大きく成長しています。
オホーツク海の流氷は、ハバロフスク地方沿岸・シェリホフ湾・サハリン東岸などで生成され、風や海流によって北海道沿岸にやって来ます。今年、網走で沖合の流氷が肉眼で見える「流氷初日」は1 月17 日でした。しかし、その後の風向きの影響で南下が進まず、流氷が接岸して船舶が航行できなくなる「接岸初日」は2 月17 日でした。昭和34 年の統計開始以来、史上3 番目に遅い接岸となりました。図1(a)は流氷初日のオホーツク海の流氷の様子で、網走沖合に一部海氷が存在していることが分かります。図1(b)に示した接岸初日直後の流氷の様子からは、サハリン東岸から高密接度域が連続しており、北海道沖合にも高い密接度域が存在していることが分かります。
オホーツク海の海氷面積は、例年2 月下旬から3 月上旬に最大面積となります。2003年から昨年までのAMSR-E による観測期間では、2003 年3 月に最大面積を記録しました(図1(d))。図1(c)は、今年の3 月8 日のオホーツク海の海氷の様子です。今年の流氷は、2003 年と比べてオホーツク海南東部への広がりは少ないですが、オホーツク海東部まで広がっている様子が分かります。

*1)JAXA が開発し、NASAの地球観測衛星Aqua に搭載した世界最高性能のマイクロ波放射計。地球から放射される1 mm〜1 mの電波(マイクロ波)を観測します。2002 年の打上げ以来、継続して全世界のデータを取得し、海面水温、降雨、土壌水分、北極海の海氷などの観測をしてきましたが、2011年10 月4日、定常観測に必要なアンテナの回転速度(毎分40回転)を維持する限界に達したため、観測および回転を自動で停止しました。
*2)衛星の視野内に含まれる海氷の面積の割合(%)。
*3)アメリカ合衆国海軍及びNPOESSの支援のもと2003年にNaval Research Laboratoryにより打ち上げられた衛星搭載型多偏波マイクロ波放射計。

Windsatによる観測MODISによる観測海氷上での観測
(a)Windsatによる観測    (b)MODISによる観測   (c)海氷上での観測
図2 それぞれの目による海氷観測

 海氷や積雪域の減少など気候変動の観測には、長期間にわたる積み重ねが不可欠です。2002 年以降継続してきたAMSR-E による観測は昨年10 月4 日以降停止していますが、JAXA では、現在も米国の衛星搭載マイクロ波放射計WindSat を用いて海氷観測を継続しています。そして2012 年5 月には、AMSR-E 後継機であるAMSR2を搭載したGCOM-W1「しずく」がいよいよ打ち上げられる予定です。AMSR-E・WindSat・AMSR2 は、どれも受動型のマイクロ波放射計ですが、空間分解能等のセンサ仕様が若干異なっています。そのため、長期間の海氷密接度の変動を正確に把握するためには、個々のセンサの観測データから抽出される海氷密接度の精度を検証する必要があります。図2(a)は3 月28 日の北海道沿岸の密接度画像です。図2(b)は、NASA の光学センサであるMODIS によって観測された画像です。また、図2(c)は実際の海氷上において海氷のマイクロ波放射の観測を行っている風景です。マイクロ波放射計による海氷観測は、天候に左右されずに観測できますが、空間分解能の点では光学センサに劣ります。したがってマイクロ波放射計によって得られる海氷分布や密接度をMODIS やSGLI(2015 年頃打ち上げ予定)などの光学センサや合成開口レーダなど複数のデータを用いて検証していく必要があります。また同時に、地上においても、海氷のマイクロ波放射特性を詳細に計測し、衛星データ解析用のアルゴリズムの改良につなげていくことが重要です。これらの活動を通して、長期間の海氷変動の実態をより詳細に明らかにし、地球の今を把握できるように進めています。



観測画像について



観測衛星: 地球観測衛星Aqua (NASA)
観測センサ: 改良型高性能マイクロ波放射計 AMSR-E (JAXA)
観測日時: 2003年3月8日

観測衛星: WindSat
観測センサ: 衛星搭載型多偏波マイクロ波放射計
観測日時: 2012 年1月17日、2012年2月18日、2012年3月8日、2012年3月28日

観測衛星: 地球観測衛星Aqua (NASA)
観測センサ: 中分解能スペクトロメータ MODIS (NASA)
観測日時: 2012年3月28日
本文ここまで。
画像:ロケットの情報を掲載 ロケットナビゲーター
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:ページTOP