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地球が見える 2011年

火の国熊本

熊本市とその周辺
熊本市とその周辺
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図1 熊本市とその周辺

 図1は、ALOS(だいち)が2010年4月(画像右側)と6月(画像左側)に撮影した熊本市とその周辺の画像です。中央の灰青色の部分が熊本です。東に阿蘇山、西に雲仙普賢岳といった活発な活動を続ける火山に挟まれています。火の国と呼ばれる一因です。九州新幹線は下方に見える八代から熊本、玉名、大牟田を通って北に向かい、博多に至ります。
画像左端に見える明るい水色の部分が諫早湾干拓事業でできた調整池です。沖の堤防(潮受堤防)を境に左右で水の色が違って見えています。

熊本市街の拡大画像
熊本市街の拡大画像
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図2 熊本市街の拡大画像
(Google Earthで見る熊本市街(kmz形式、4.85 MB低解像度版))

 図2は、熊本市街の拡大画像です。画像中央やや左に見える白い縦線が開業間近な九州新幹線で、JR鹿児島本線と並んでいるのが分かります。また、熊本駅は周囲を山(花岡山、万日山)と川(白川、坪井川)で囲まれていることも見て取れます。新幹線の開業に合わせて熊本駅とその周辺地域の整備が進められています。
熊本駅の右上(北東)に熊本城と市街地中心部があります。九州では長崎市、鹿児島市、熊本市に路面電車が残っています。熊本駅から市街中心部、熊本城、JR豊肥本線新水前寺駅方面へは路面電車で行くことができます。

九州新幹線

 現在、九州新幹線(鹿児島ルート)は鹿児島中央−新八代間で営業運転していますが、2011年3月12日に新八代−博多間(延長約130 km)が開業する予定です。これにより九州新幹線(鹿児島ルート)が全線開業し、熊本から博多へは最短で33分、鹿児島へは44分で結ばれます。また、山陽新幹線との相互直通運転も計画されています。

熊本城

 熊本城は、戦国大名加藤清正が7年以上の歳月をかけて、慶長12年(1607)に完成しました。日本屈指の名城といわれ、日本三名城の一つにも数えられています。加藤家二代当主加藤忠広(ただひろ)の改易により、1632年に細川忠利(ただとし)が肥後熊本藩の初代藩主として入城し、11代239年に渡り肥後熊本藩54万石の拠点となりました。
熊本城の特色の一つとして、敵の侵入を防ぐための石垣(武者返しと呼ばれる)があげられます。上に向かうに従って角度を高める独特の弧を描く石垣は、清正が近江国(おうみのくに、今の滋賀県)から率いてきた石工集団(穴太(あのう)衆)が持つ特殊技術が駆使されたといわれています。その真価が発揮されたのは、築城から250年以上たった明治10年(1877)の西南戦争でした。薩摩軍はこの石垣に阻まれ、一人も城内に侵入できなかったといいます。
この西南戦争で主な建物が焼失しましたが、現在は復元工事が進んでいます。

水前寺公園

 細川忠利が鷹狩りの際、清水が湧くこの地を気に入り、御茶屋を建てたことが始まりです。3代綱利(つなとし)の代に大規模な庭園が造られ、桃山式の優美な回遊式庭園が完成しました。 阿蘇の湧水で作られた池を中心にして、東海道五十三次をなぞらえた造りで、国の名勝、史跡に指定されています。

阿蘇山の拡大画像
阿蘇山の拡大画像
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図3 阿蘇山の拡大画像
(Google Earthで見る阿蘇山(kmz形式、4.85 MB低解像度版))

 図3は阿蘇山の拡大画像で、外輪山が画像いっぱいに広がっています。世界最大級のカルデラ(東西約17 km、南北約 25 km、面積約350 km2)の中に、今も噴煙を上げ続けている中岳を始めとする中央火口丘群(主に阿蘇五岳など)があります。中岳の左(西)側には噴煙を上げている火口が見えます。人の耳に似た形で、東西約400 m、南北約1,100 mに及びます。ロープウェイで火口縁まで行くことができ、展望所からは白煙をあげる火口孔が一望できます。
中岳火口のさらに左側に、丸いうす茶色の領域があります。草千里ヶ浜と呼ばれる盆地状の草原で、春から秋の間は牛が放牧されています。

中岳(なかだけ、1506 m)、高岳(たかだけ、1592 m)、根子岳(ねこだけ、1408 m)、杵島岳(きしまだけ、1321 m)、烏帽子岳(えぼしだけ、1337 m)

 九州新幹線(鹿児島ルート)の全線開業により熊本へのアクセスが良くなります。名城や大自然に触れる機会が増えることでしょう。



観測画像について



観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)及び
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2010年6月5日10時10分頃(日本時間)(AVNIR-2、PRISM同時観測)(図1、2)
2010年4月3日10時9分頃(日本時間)(AVNIR-2、PRISM同時観測)(図1、3)
地上分解能: 10 m(AVNIR-2)および2.5 m(PRISM)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

 AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

濃緑: 森林
明るい緑: 草地、畑
暗い緑: 水田
青灰色: 市街地
茶色: 裸地
青: 水域
白: 建物、雲

(図2、3)
PRISMは地表を520〜770 ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。
AVNIR-2の、バンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5 mのカラー画像を作成することができます。図2、3はこのように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。

本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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