地球が見える 2011年
シチリア島とエトナ火山
図1 イタリア半島とシチリア島
図1は、ALOS(だいち)が2009年6月12日から7月27日にかけて撮影したイタリア半島とシチリア島のレーダ画像合成図です。レーダ画像では、レーダ波を強く反射する対象、例えば都市部は明るく表示されます。ローマやナポリが明るく表示されてるのが分かります。 図2 メッシーナ海峡とエトナ火山
図2は、シチリア島北部の拡大図です。シチリア島とイタリア本土を隔てているのがメッシーナ海峡で、その下方にエトナ火山があります。海峡のシチリア島側は鳥のくちばしのように見えます。くちばしの下の明るく見えるところが、シチリア島の3番目の都市であるメッシーナです。メッシーナ海峡では、2016年完成を目指して海峡をまたがる大橋の建設が進められています。完成すれば、明石海峡大橋を抜いて、世界最長の吊り橋になります。 図3 エトナ火山の拡大図
(Google Earthで見るエトナ火山(kmz形式、4.77 MB低解像度版)) 図3は、ALOS(だいち)が2010年8月および2007年6月に、そしてランドサットが2003年7月に撮影したエトナ火山の拡大図です。2007年と2003年の画像には、かすかですが噴煙が上がっているのが見えます。また、まわりの青白い部分には、溶岩が流れた跡が見えています。エトナ火山の標高は、3,300 mほどありますが、噴火により、高さが変わっています。ヨーロッパ最大の火山です。エトナ火山は古くから噴火を繰り返しており、1669年の噴火では麓の村が全滅しました。また1928年の噴火でも、同様の被害を受けました。近年においてもたびたび噴火を繰り返しており、1971年の噴火では、19世紀後半に建設された天文台やケーブルカーが埋もれました。2010年と2007年の画像中の矢印は新しい溶岩の先端部を示しています。 ![]() 2011年、活動する火山 2011 年1 月27 日、霧島連山・新燃岳(1421 m)が爆発的噴火を起こしました。1959 年以来52年ぶりの爆発的噴火で、鹿児島県地方気象台は噴火レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げました。 ![]() 京都・炭素観測計画ALOS解析研究プロジェクトでは「京都・炭素観測計画」を実施しています。これは京都議定書の目標および地球観測データの共有を推進するためのプロジェクトで、ALOS(だいち)が観測した全世界のレーダ画像を周期的に合成し(K&Cモザイク)、公開しています。図1はその成果の一部です。詳細はK&Cモザイクホームページをごらんください。 観測画像について![]()
図1は、PALSAR画像を白黒表示しています。概して、明るさがなめらかな部分は水域、細かく濃淡が変化する部分は陸域です。
図2、3は、米国地質調査所の画像検索サイト USGS Global Visualization Viewerから無料でダウンロードしたデータを用いました。可視域のバンド3 (630〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)、バンド1 (450〜520ナノメートル)に赤、緑、青色を割り当ててカラー合成したので、肉眼で見たのと同じ色合いとなります。
AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図2、3は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。
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