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地球が見える 2011年

シチリア島とエトナ火山

イタリア半島とシチリア島
イタリア半島とシチリア島
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図1 イタリア半島とシチリア島

 図1は、ALOS(だいち)が2009年6月12日から7月27日にかけて撮影したイタリア半島とシチリア島のレーダ画像合成図です。レーダ画像では、レーダ波を強く反射する対象、例えば都市部は明るく表示されます。ローマやナポリが明るく表示されてるのが分かります。
イタリア半島を長靴にたとえた時、つま先にけとばされている石のように見える島がシチリア島です。シチリア島は地中海最大の島で、約25,000 km2の面積の中におよそ500万人の人が住んでいます。北西の明るく見えるところが州都のパレルモです。
シチリア島は、古くから地中海における各種勢力の争いの場となってきました。紀元前には、ギリシャ植民都市間の争いやカルタゴとローマとの争いの舞台となり、紀元後はイスラム教徒の支配、ノルマン人の侵略を受け、神聖ローマ帝国やスペイン・ハプスブルグ家等に統治されました。その後、19世紀中ごろにイタリア王国へ統合されました。

メッシーナ海峡とエトナ火山
メッシーナ海峡とエトナ火山
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図2 メッシーナ海峡とエトナ火山

 図2は、シチリア島北部の拡大図です。シチリア島とイタリア本土を隔てているのがメッシーナ海峡で、その下方にエトナ火山があります。海峡のシチリア島側は鳥のくちばしのように見えます。くちばしの下の明るく見えるところが、シチリア島の3番目の都市であるメッシーナです。メッシーナ海峡では、2016年完成を目指して海峡をまたがる大橋の建設が進められています。完成すれば、明石海峡大橋を抜いて、世界最長の吊り橋になります。

エトナ火山の拡大図 エトナ火山の拡大図
エトナ火山の拡大図
エトナ火山の拡大図 エトナ火山の拡大図エトナ火山の拡大図
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図3 エトナ火山の拡大図
(Google Earthで見るエトナ火山(kmz形式、4.77 MB低解像度版))

 図3は、ALOS(だいち)が2010年8月および2007年6月に、そしてランドサットが2003年7月に撮影したエトナ火山の拡大図です。2007年と2003年の画像には、かすかですが噴煙が上がっているのが見えます。また、まわりの青白い部分には、溶岩が流れた跡が見えています。エトナ火山の標高は、3,300 mほどありますが、噴火により、高さが変わっています。ヨーロッパ最大の火山です。エトナ火山は古くから噴火を繰り返しており、1669年の噴火では麓の村が全滅しました。また1928年の噴火でも、同様の被害を受けました。近年においてもたびたび噴火を繰り返しており、1971年の噴火では、19世紀後半に建設された天文台やケーブルカーが埋もれました。2010年と2007年の画像中の矢印は新しい溶岩の先端部を示しています。
肥沃な火山土壌のため、麓ではブドウ園や果樹園が展開していますが、このような噴火活動と人口密集地帯が近いことから、我が国の雲仙普賢岳、桜島とともに世界の16の火山に選ばれ、監視・研究の対象となっています。

2011年、活動する火山

 2011 年1 月27 日、霧島連山・新燃岳(1421 m)が爆発的噴火を起こしました。1959 年以来52年ぶりの爆発的噴火で、鹿児島県地方気象台は噴火レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げました。
一方、2011 年1 月12 日に、エトナ火山も大規模に噴火し、2 時間あまりにわたって溶岩を噴出し続けました。すぐ近くには村がありますが、幸いなことにけが人などはでなかったそうです。

京都・炭素観測計画

 ALOS解析研究プロジェクトでは「京都・炭素観測計画」を実施しています。これは京都議定書の目標および地球観測データの共有を推進するためのプロジェクトで、ALOS(だいち)が観測した全世界のレーダ画像を周期的に合成し(K&Cモザイク)、公開しています。図1はその成果の一部です。詳細はK&Cモザイクホームページをごらんください。



観測画像について



観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR)(図1)
観測日時: 2009年6月12日〜2009年7月27日
地上分解能: 500 m(K&C500mブラウズモザイクプロダクト)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

図1は、PALSAR画像を白黒表示しています。概して、明るさがなめらかな部分は水域、細かく濃淡が変化する部分は陸域です。

観測衛星: ランドサット5号 (米国)
観測センサ: セマティック・マッパー (TM)
観測日時: 2003年7月27日(世界標準時)(図2、3)
地上分解能: 30 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

 図2、3は、米国地質調査所の画像検索サイト USGS Global Visualization Viewerから無料でダウンロードしたデータを用いました。可視域のバンド3 (630〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)、バンド1 (450〜520ナノメートル)に赤、緑、青色を割り当ててカラー合成したので、肉眼で見たのと同じ色合いとなります。

観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2010年8月16日9時56分頃(世界標準時間)(図2、3)
2007年6月23日9時56分頃(世界標準時間)(図3)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図2、3は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

濃緑: 森林
明るい緑: 草地
茶色: 裸地
青: 水域
白: 道路、建物、雲
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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