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地球が見える 2009年

紅い荒野に突如現れた首都、ブラジリア、ブラジル

図1 ブラジリア周辺
図1は2007年3月に捉えたブラジルの首都ブラジリア周辺の画像です。1960年にジュセリーノ・クビチェッキ大統領により、リオデジャネイロから広大なブラジルの中心である中央高原へ遷都が行われました。
図中央やや上、大きな飛行機の様な形をした都市がブラジリアです。ブラジル人ルシオ・コスタの設計による都市は2本の大通りを交差させ、人工湖や斬新なデザインの中高層ビル群を配置して、わずか3年半で築き上げられました。現在も奇抜なデザインの建物が加わり続けています。
現在連邦区となったこの一帯は、以前はセハードと呼ばれ、人口が希薄で、紅い土で覆われた、やせた土地でした。セハードとはポルトガル語で「閉ざされた地」の意味で、ブラジル中西部地帯に広がる灌木林地帯の植生の呼称です。面積は約2億ヘクタール(日本の国土面積の約5.5倍)で広大な未開の大地でした。図からはブラジリア周辺に広がる大地に多くの緑の農作地を見ることができ、セハード農業開発が政府の援助政策と相まって進展していることがわかります。

図2 ブラジリア市街
(Google Earthで見るブラジル・ブラジリア(kmz形式、4.57MB、低解像度版))
図2で東西に伸びる長さ9.75kmの大きな通りがモニュメント通りで中央部に広い芝生を配したこの大通りが飛行機の胴体に相当しています。また南北に伸びる長さ14.3kmの大きな通りがエイショ通りで、住宅地で構成されたこの大通りが翼の軸に相当しています。
前方(東側)に人造湖であるパラノア湖があり、翼と湖の間には各国大使館や教育施設、各種スポーツ・娯楽施設がおかれ、さらに対岸は一戸建ての高級住宅地となっています。
図2左下に見える空港はブラジリア国際空港で、ブラジルの中心に位置することからハブ空港(各地に放射状に伸びた航空路線網の中心として機能する拠点空港)の役割を果たしています。
図3 ブラジリア市街の拡大画像
図3中央、東西に延びるモニュメント通りの中央部が芝生に覆われているため緑色に見えています。片側6車線の大通りで、行政区、業務地区、ホテル地区、テレビ・ラジオ局地区等が整然と区画され、斬新なデザインの中高層ビルが配置されています。図の右端、ちょうど機首に当たる部分に国会、最高裁判所、大統領府に囲まれた三権広場があり、尾翼部に向かって外務省や法務省を始め各省庁、大聖堂、国立劇場、テレビ塔が建ち並びます。国会議事堂、大聖堂、外務省は、ニューヨークの国連本部ビルを設計したブラジル人建築家オスカー・ニーマイヤの手によるものです。
エイショ通りは中央の6車線の大通り(エイショ)とその両側にそれぞれ4車線の側道(エイシーニョ)からなっています。エイショ通りの両側に配置されたクアドラと呼ばれる240m四方の街区に、7階建ての集合住宅(ピロティ+住宅6階)が配置されています(ピロティ:2階以上の建物で、地上部分が柱を残した外部空間とした建築形式)。
1987年にブラジリアは世界文化遺産に登録されました。建設されて40年未満の都市が登録されるのは非常に稀な例ですが、「人類の創造的傑作を表現」し、開発途上国の模範となるべく期待が込められています。



観測画像について:


観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2007年3月11日13時32分頃(世界標準時)(図1〜3、AVNIR-2)
2008年4月28日13時29分頃(世界標準時)(図2、3、PRISM)
地上分解能: 10m(AVNIR-2)および2.5m(PRISM)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

緑色: 森林
明緑色: 草地、農地
灰色: 市街地、道路
茶色: 裸地
青: 水域

(図2、3)
PRISMは地表を520〜770 ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。
AVNIR-2の、バンド1 (420〜500ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド3 (610〜690ナノメートル)を青、緑、赤色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5mのカラー画像を作成することができます。図2、3はこのように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
ブラジル移民100年の歴史を伝えるサンパウロ
白く輝く大砂丘レンソイス、ブラジル
世界の瀑布(その3) 大地を揺るがすイグアスの滝、アルゼンチン・ブラジル
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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