地球が見える 2007年
バングラデシュを直撃したサイクロン「SIDR」
図1は2007年11月14日6UTCに観測された「世界の降雨量分布」*2であり、バングラデシュに近づいているサイクロン「シドル」が観測されています。また動画では、インド洋を北上する「シドル」の動きが良くわかります。
*1 雲画像は、気象庁、EUMETSAT(欧州気象衛星機構)、NOAA(米国海洋大気局)及び日本気象協会の提供による。 *2 JAXA/EORCでは、この11月より、「世界の雨分布速報」として、熱帯降雨観測衛星(TRMM)など複数の衛星観測データを使用して、観測から約4時間後の準リアルタイムで、高分解能の世界の降雨量の分布画像を作成し、インターネット上で毎時更新しています。 「世界の雨分布速報」で公開している降雨量の算出には、(独)科学技術振興機構(JST)のプロジェクト「GSMaP(Global Satellite Mapping of Precipitation)」が独自に開発したアルゴリズムが使用されています。GSMaP降雨強度推定アルゴリズムでは、世界で初めての衛星搭載降雨観測用レーダであるTRMM降雨レーダPRの情報が活用されています。衛星観測による全球の降雨分布を、毎時に可視化して公開するのは日本では初めてのことです。さらに観測後数時間以内という画像提供の早さは、マイクロ波放射計データを利用した全球降雨プロダクトしては、世界的に見ても最速のものの一つです。 複数の衛星によるシステム構築により、観測頻度の高い降雨量観測が可能となり、アジアなどの台風や豪雨災害の頻発する地域に対して、速やかな情報提供を行うことが可能となりました。
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