地球が見える 2007年
宇宙から見える噴水:スイス、ジュネーヴ
三日月の形をしたレマン湖の南西岸に位置し、レマン湖から流れ出るローヌ川沿いにあるジュネーヴは、スイスの飛び地のように三方をフランスの山々に囲まれています。 スイスは、アメリカ合衆国のように連邦制を敷いており、ジュネーヴは州の一つですが、1815年にスイスに統合する前は独立した共和国であり、現在もジュネーヴの正式名称は、ジュネーヴ共和国となっています。スイス連邦加盟を決議した国家記念碑も左側がジュネーヴを表す婦人、右側がスイスを表す婦人となっており、対等の立場であることを主張しているようです。 街のシンボルは、レマン湖で高く水を吹き上げるジェッドー(大噴水)です。噴水の起源は、工業と生活用水となる水のポンプによる送水の余剰能力を噴水に当てたことから始まっており、休日には工業生産が休みなので、停止する手間を省くためそのまま噴水に使っていたのが、定着したようです。 ジュネーヴは、人口18万人ほどでスイスで二番目に大きく、国際連合の難民高等弁務官事務所(UNHCR)や世界保健機関(WHO)、世界気象機関(WMO)、また赤十字国際委員会(ICRC)などの国際機関の事務局や本部が集まる国際都市です。ローマ時代にガリアと呼ばれていた地域の一部であり、ジュリアス・シーザとも関連が深い古い歴史を持つ文化的な街です。世界各国からの国際機関で働く人達が住む街として、また大勢の観光客が押し寄せることから近年物価が高騰しているようです。ハリー・ポッターの和訳者や女優など日本の有名人も数多く住んでいます。 また、スイスの都市としては公園面積が最も広く、ちょっと足を伸ばすと、緑豊かなローヌの森やスイスで三番目のワインを生産するブドウ畑が広がっています。 図1の北部には、スイスで二番目に大きく、敷地をフランスと共有するジュネーヴ・コワントラン空港が見えます。 図には見えませんが、南側に200kmほど行くと、2006年冬季オリンピックの開催地であるイタリアのトリノにたどり着きます。 図1中央には、ジャン・カルヴァンによる宗教改革で有名なサン・ピエール大聖堂、国際都市の象徴である国際連合の欧州本部であるパレ・デ・ナシオン (Palais des Nations)が見えます。 レマン湖から図1左側に流れ出すローヌ川は、比較的澄んでおり緑色です。図1でも緑色に見えるのがわかります。一方、図1の下方のアルヴ川は、アルプスを源流とする山間部より流れてくるため茶色っぽく見えます。アルヴ川は、図1中央のジュネーヴ市内でローヌ川と合流しています。
ローヌ川の北岸にはジュネーヴの中央駅、コルナヴァン駅が見えます。この駅とパリのリヨン駅はTGVで3時間半で結ばれています。
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