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地球が見える 2006年

ハリケーンから台風に変わり、日本に接近した「イオケ」

日本の東の海上を台風12号(IOKE:イオケ)が北上しています。この台風は2006年8月27日15時(以下全て日本標準時)に発生したもので、この時点で中心気圧920 hPa、最大風速55 m/sとすでに猛烈な台風となっていました。実は元々ハワイ諸島のはるか南東沖で発生した熱帯低気圧が発達し、ハリケーン「IOKE」となったものが、日付変更線(東経180度線)を越えたため、台風12号となったものです。台風の名前は通常アジア名を使いますが、この台風は元々のハリケーンの名前「IOKE」をそのまま使っています。

この台風は米国領ウェーク島を直撃しました。このため全島の住民が事前にハワイに避難しました。また南鳥島(マーカス島)では日本返還後初めて気象庁職員や海上自衛隊員全員が島外に避難しました。

a) 高度2kmの降雨分布と雲画像 b) 降雨の立体画像
図1 熱帯降雨観測衛星TRMMで観測した台風12号(IOKE:イオケ)
図1は熱帯降雨観測衛星TRMMが観測した2006年8月30日17時59分の台風12号の画像です。はっきりとした目とその周りの壁雲、さらにその周りのらせん状の強い降水域が明瞭に見られます(図1a)。また図1bは立体画像と図1aの線ABに沿った断面を示しますが、降雨の高さが壁雲で13 km、その周りで12 kmあることがわかります。また赤く示された降雨の強い部分はそれぞれの幅が非常に狭く、高い高度にまで発達していることがわかります。これらは台風の中の対流が非常に強く、発達した最盛期の台風に典型的に見られる特徴です。

a) 降雨分布 b) 水蒸気量
c) 海上風速
図2 Aqua搭載のAMSR-Eで観測した台風12号(IOKE:イオケ)
図2はAquaに搭載されたAMSR-Eで観測した2006年8月31日11時03分の降水分布、水蒸気量分布、海上風速を示します。こちらでもはっきりとした目とらせん状の強い降水域が見られます。このときは目の東側に強い降水域が集中しています(図2a)。また中心付近には水蒸気の多い領域がありますが、その東側に南から乾いた空気が入っていて、これに沿って降水が全く見られない領域があることがわかります(図2a,b)。中心付近では90ノット(45m/s)以上の非常に強い風が吹いていることがわかります(図2c)。

このような日付変更線を越えた台風は2002年の24号以来4年ぶりとなります。さらに日付変更線を越えた上、日本に上陸したのはこの50年間で1997年の19号の一個しかありません。気象庁の予報によれば、台風12号が上陸することはなさそうですが、海上では波やうねりが高い状態が続くので、注意が必要です。



参考サイト:
気象庁ホームページ
   台風情報
   南鳥島気象観測所職員の一時島外避難について
デジタル台風: 台風画像と台風情報

観測画像について:
(図1)
観測衛星: 熱帯降雨観測衛星(TRMM)*
観測センサ: 降雨レーダ(PR)可視赤外観測装置(VIRS)
観測日時: 2006年8月30日17時59分(日本標準時)

(図2)
観測衛星: 地球観測衛星Aqua (NASA)
観測センサ: 改良型高性能マイクロ波放射計AMSR-E (JAXA)
観測日時: 2006年8月31日11時03分(日本標準時)
*1 TRMMは、NASA, NICT及びJAXAの共同プロジェクトです。

関連サイト:
JAXA/EORC台風データベース
TRMM台風速報
AMSR-E台風速報
AMSR-E今日の一枚
AMSR-E全天候型海上風速
MODIS準リアルタイム画像
本文ここまで。
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画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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