地球が見える 2004年
今年最強の上陸台風16号
大型で強い台風16号(チャバ)が8月30日午前9時30分頃鹿児島県串木野付近に上陸しました。 台風が接近する中、鹿児島県枕崎市では8月30日午前2時40分に観測史上2番目となる最大瞬間風速58.1mを観測しました(1945年の枕崎台風の際の62.7mに次ぐ)。図1は8月28日13時10分(日本時間)にアメリカの地球観測衛星Aquaに搭載されたMODISによって観測された台風16号の画像です。また、図2は8月28日8時(日本時間)、熱帯降雨観測衛星TRMMに搭載されている降雨レーダ(PR)で観測した地表面付近の降水量を、可視赤外放射装置(VIRS)で観測した雲画像に重ねたもの、図3は同時刻にTRMMに搭載されているTRMMマイクロ波観測装置(TMI)が観測した降雨量です。赤い地域ほど雨が強いことを示しており、台風の目にあたる地域では雨が降っていないことがわかります。
この台風は、上陸した台風としては今年6個目、8月まででは観測史上最多で、年間でも最多タイとなりました。 8月19日にマーシャル諸島付近で発生以来、太平洋高気圧の縁をまわるように北西に進んでいましたが、日本付近で上空の偏西風の影響により進路を変え、今後は速度を上げながら、西日本を縦断して日本海に抜け、さらに北日本へと進む見込みです。 この時期は、潮位が1年間で最も高い時期で、大潮とも重なっていることから、猛烈な風や雨に加えて、高波,高潮にも厳重な警戒が必要です。
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