ALOS-2 / PALSAR-2 観測プロダクト

ALOS-2 / PALSAR-2 観測プロダクト

CEOS-ARD_Logo

ALOS-2/PALSAR-2 ScanSAR ARDプロダクト

1. 概要

宇宙航空研究開発機構では、ALOS-2/PALSAR-2 ScanSAR のシーン単位、フルアパーチャー方式の複素数プロダクトをレベル1.1(L1.1)、オルソ補正および斜面勾配補正(Radiometric Terrain Correction)を施した後方散乱係数プロダクト(Normalised Radar Backscatter, NRB)をレベル2.2(L2.2)として公開を開始しました。

Committee on Earth Observation Satellites (CEOS, 地球観測衛星委員会)では現在、衛星データに習熟していないユーザのためのデータ利用の負荷軽減や機械リーダブルで解析に資するデータ(Analysis Ready Data, ARD)の定義付けを主導しています。特に、陸域を対象としたプロダクトはCEOS Analysis Ready Data (CEOS-ARD)として定義されています。L2.2データのフォーマットは、CEOS-ARDに準拠しています。

ALOS-2 / PALSAR-2 の概要については、こちらからご覧いただけます。

2. プロダクト種類

2.1 Single Look Complex (SLC、L1.1)
ScanSAR L1.1 CEOSフォーマットの詳細については以下のURLの資料を参照ください。
本コンテンツで提供しているデータの画像再生方式は「フルアパーチャー」となります。
2.2 Normalised Radar Backscatter (CEOS-ARD、L2.2)
CEOS-ARDの詳細については以下のURLの資料(英語)を参照ください。
CEOS-ARDプロダクトは、SAR標準プロダクトのプロダクトレベルに準拠してレベル2.2(L2.2)と定義されます。格納データ及びフォーマットについては、以下の説明書をご覧ください。

3. データ利用方法

現在、L1.1プロダクトはG-Portalから、L2.2プロダクトは以下のプラットフォームから徐々に公開が始められています。
各プラットフォームにおけるデータの利用方法は、それぞれのサイトをご参照ください。

データを扱う際の注意として、ScanSAR L1.1データはESAのSNAPソフトウェアは未対応のため開くことができません。
ScanSAR L1.1データを開く際は各種商用ソフトウェア (e.g. GAMMA Software)、または無償ソフトウェアのGMTSARをご利用ください。
なお、ここでご紹介した無償ソフトウェアは参考情報です。JAXAでは、これら有償・無償ソフトウェアの動作保証はいたしません。
また、それぞれのソフトウェアに関するご質問等に関して、JAXAではご回答できませんのでご了承ください。

4.参考文献

1.D. Small, (2011) Flattening Gamma: Radiometric Terrain Correction for SAR Imagery. IEEE Transactions on Geoscience and Remote Sensing, 49, 3081-3093.
https://dx.doi.org/10.1109/TGRS.2011.2120616

2.CEOS-ARD ウェブページ
https://ceos.org/ard/

災害関連データの無償公開

ALOS-2で観測した災害関連データのうち、令和6年(2024年)能登半島地震、2024年台湾地震、2023年トルコ地震のデータを無償で公開しています。

2024年4月3日 台湾地震

2024年4月3日8時58分(日本時間)に台湾でM7.4(米国地質調査所:USGS)の地震が発生し、各地で建物損壊、土砂崩れ等が発生し甚大な被害をもたらしています。JAXAでは台湾の防災機関からの要請を受けて、発災翌日からALOS-2による緊急観測を行い、データを提供しています。本緊急観測データの解析結果が減災・防災などの一助となるよう、干渉解析や変化抽出に必要となるアーカイブデータとともにL1.1(CEOSフォーマット)およびL2.1(GeoTIFF)データを公開します。
なお、本公開データは政府や自治体等における公共利用および大学等における研究利用など非商用目的での利用を条件としています。本データの商用利用を希望される方はJAXAまでお問い合わせください。

現在、以下のデータが公開されています。

図1:ALOS-2観測実績
図1:ALOS-2観測実績(2024/4/4および4/5)
Obs date Path Frame Download Beam A/D Archive
2024/04/04 25 3150 (Beam 1) *1
3150 (Beam 2)
3150 (Beam 3)
3150 (Beam 4)
3150 (Beam 5)
3150 (Beam 1-5)
L1.1(CEOS)
L1.1(CEOS)
L1.1(CEOS)
L1.1(CEOS)
L1.1(CEOS)
L2.1(GeoTIFF)
W3 Desc 2024/02/08 L1.1(CEOS)
2024/02/08 L1.1(CEOS)
2024/02/08 L1.1(CEOS)
2024/02/08 L1.1(CEOS)
2024/02/08 L1.1(CEOS)
2024/02/08 L2.1(GeoTIFF)
2024/04/05 28 3100 (Beam 1) *1
3100 (Beam 2)
3150 (Beam 1)
3150 (Beam 2)
3100 (Beam 1-5)
3150 (Beam 1-5)
L1.1(CEOS)
L1.1(CEOS)
L1.1(CEOS)
L1.1(CEOS)
L2.1(GeoTIFF)
L2.1(GeoTIFF)
W2 Desc 2024/03/08 L1.1(CEOS)
2024/03/08 L1.1(CEOS)
2024/03/08 L1.1(CEOS)
2024/03/08 L1.1(CEOS)
2024/03/08 L2.1(GeoTIFF)
2024/03/08 L2.1(GeoTIFF)

*1 : ScanSAR L1.1プロダクトは容量が非常に大きいため、HH偏波のみ・陸域を観測しているビームごとに提供しています

ファイルサイズは、W2,W3(広域観測モード)が1シーン・ビーム毎にL1.1が約12˜15GBありますので、ダウンロードの際には通信環境等にご注意ください。
また、ScanSAR L1.1データはSNAPソフトウェアでは利用できません。詳しくはこちら
なお、これらのデータを用いた解析例は、「だいち2号」による2024年台湾地震の観測結果にてご覧頂けます。

令和6年(2024年)能登半島地震

2024年1月1日16時過ぎ(日本時間)に発生した「令和6年能登半島地震」では、各地で建物損壊、土砂崩れ、火災等が発生し、甚大な被害をもたらしています。JAXAでは国内防災機関等からの要請を受けて、発災当日の夜間からALOS-2による緊急観測を行い、データを提供しています。国内関係機関との協力の下、本緊急観測データの解析結果が減災・防災などの一助となるよう、干渉解析や変化抽出に必要となるアーカイブデータとともにL1.1(CEOSフォーマット)およびL2.1(GeoTIFF)データを公開します。
なお、本公開データは政府や自治体等における公共利用および大学等における研究利用など非商用目的での利用を条件としています。本データの商用利用を希望される方はJAXAまでお問い合わせください。

現在、以下のデータが公開されています。

図1:ALOS-2観測実績
図1:ALOS-2観測実績(2024/1/1-1/10)
図1:ALOS-2観測実績
図2:ALOS-2観測実績(2024/1/12-1/15)
Obs date Path Frame Download Beam A/D Archive
2024/01/01 121 0750
0760
0770
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
U2-6L Asc 2022/09/26 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2022/09/26 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2022/09/26 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2024/01/02 26 2820
2830
2840
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
U2-8L Desc 2023/06/06 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2023/06/06 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2023/06/06 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2024/01/03 127 0720 *1
0730 *1
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
U2-9R Asc 2023/12/06 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2023/12/06 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2024/01/05 21 2850 (Beam 1) *2
2850 (Beam 1-5)
L1.1(CEOS)
L2.1(GeoTIFF)
W2 Desc 2023/11/24 L1.1(CEOS)
2023/11/24 L2.1(GeoTIFF)
2024/01/08 128 0720
0730
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
U3-13R Asc 2023/06/12 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2023/06/12 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2024/01/09 19 2860
2870
2880
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
U3-10R Desc 2021/10/19 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2021/10/19 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2021/10/19 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2024/01/10 120 750 (Beam 1) *1,3
750 (Beam 2)
750 (Beam 3)
750 (Beam 4)
750 (Beam 5)
750 (Beam 1-5)
L1.1(CEOS)
L1.1(CEOS)
L1.1(CEOS)
L1.1(CEOS)
L1.1(CEOS)
L2.1(GeoTIFF)
W2 Asc 2023/01/25L1.1(CEOS)
2023/01/25L1.1(CEOS)
2023/01/25L1.1(CEOS)
2023/01/25L1.1(CEOS)
2023/01/25L1.1(CEOS)
2023/01/25L2.1(GeoTIFF)
2024/01/12 126 0720
0730
0740
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
U2-7R Asc 2023/11/03 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2023/11/03 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2023/11/03 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2024/01/14 20 2860
2870
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
U2-8R Desc 2023/12/31 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2023/12/31 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2024/01/15 121 0750
0760
0770
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
U2-7L Asc 2022/06/06 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2022/06/06 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)
2022/06/06 L1.1(CEOS) L2.1(GeoTIFF)

*1 : 確定軌道歴のプロダクトに差し替えを行いました (2024/1/12、1/19)
*2 : ScanSAR L1.1プロダクトは容量が非常に大きいため、HH偏波のみ・能登半島が撮像されているビーム1のみ提供しています
*3 : ScanSAR L1.1プロダクトは容量が非常に大きいため、HH偏波のみ・ビームごとに提供しています

ファイルサイズは、U2(高分解能観測モード)が1シーン当たりL1.1が約6GB、L2.1が約1.8GB、W2(広域観測モード)が1シーン・ビーム毎にL1.1が約9˜15GBありますので、ダウンロードの際には通信環境等にご注意ください。
また、ScanSAR L1.1データはSNAPソフトウェアでは利用できません。詳しくはこちら
なお、これらのデータを用いた解析例は、「だいち2号」による令和6年能登半島地震の観測結果にてご覧頂けます。

2023年トルコ地震

JAXAにおいてトルコ・シリア大地震に対応し、センチネルアジアや国際災害チャーターを通じたトルコ内務省災害緊急事態対策庁(AFAD)の要求などにより緊急観測を行い、データを提供しています。

1. JAXA G-Portal

G-Portalに登録した上で、無償で利用可能です。
G-Portalでのダウンロード方法はこちら(gifアニメーション)をご確認ください。
現在、以下のデータが公開されています。

Obs date Path Beam Pol R/L A/D archive
2023/2/11 185 W2 HH+HV R Asc 2022/9/10
2023/2/12 76 W2 HH+HV R Desc 2022/9/11
2023/2/15 183 W2 HH+HV R Asc 2019/9/18
2023/2/17 77 W2 HH R Desc 2022/9/16
2023/2/20 184 W2 HH R Asc 2022/9/5
2023/2/22 78 W2 HH R Desc 2022/9/7
* 今回提供のScanSARL1.1は、干渉SAR解析に適したフルアパーチャーモードのデータであり、ファイルサイズが大きくなっています。
また、ScanSAR L1.1データはSNAPソフトウェアでは利用できません。詳しくはこちら
2. Google Earth Engine

https://code.earthengine.google.com/18927a33b2f3197e12bdead34062581d

3. AWS Open Repository

Registry of Open Data on AWS
https://github.com/awslabs/open-data-registry/blob/main/datasets/jaxa-alos-palsar2-scansar.yaml
L1.1及びL2.1オルソ補正プロダクト(斜面勾配補正無し)が公開されています。
L1.1はこちらから、L2.1はこちらからダウンロードが可能です。


これらのデータを用いた解析例は「地球が見える」にてご覧頂けます。

利用条件

本データは 3.データ利用方法 で紹介した各プラットフォームにおける利用条件、及び以下G-Portal利用規約「7. G-Portal提供データの利用条件」に同意の下、どなたでも無償でご利用になれます。
https://gportal.jaxa.jp/gpr/index/eula?lang=jp


本ページで紹介のデータを利用する際には、JAXAが配布者であることが分かるよう、出所表示(JAXA)してください。

利用者が研究データ等を用いて二次的著作物を作成し、第三者へ配布(公表含む)する場合についても、JAXAが原初データの配布者である旨の表示が必要です。

提供元表示の例:
「本論文に使用したデータは、JAXAの無償公開データを利用しました。」
「本製品に使用したデータは、無償公開データ(宇宙航空研究開発機構)より提供を受けました。」
「提供:JAXA」
「提供:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構」

本データを用いた成果を公表される場合(論文等)には、差し支えなければJAXA(6.に記載の連絡先)に連絡を頂けると幸いです。

GDPRへの対応方針についてはこちらをご確認ください。

連絡先

本データに関するご質問やご要望は、下記までご連絡ください。

宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター ALOS-2/ALOS利用研究グループ

E-mail: aprojectjaxa.jp

お問い合わせは英語または日本語でお願いします。