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2006年8月29日掲載


  AMSR-Eが捉えた夏期の北半球高緯度域における海面水温の上昇

 
図1 2006年7月における海面水温偏差
AMSR-Eのデータを解析した結果、北半球の高緯度域における近年の海面水温が、過去30年間の平均値と比べて、特に夏季において大幅に上昇していたことが分かりました。  図1はAMSR-E が観測した2006年7月における海面水温とその気候値*1との偏差を示しています。バレンツ海、グリーンランド島周辺及びハドソン湾で数℃の正偏差が見られ、更に海氷縁辺に近い海域では4〜5℃以上の正偏差が見られます。この傾向は、AMSR-Eが観測を始めた2002月7月以降、毎年夏に見られます。なお、北極海の白いところは、夏でも海氷に覆われているところです。

(a) 2002年 (b) 2003年
(c) 2004年 (d) 2005年
図2 2002年〜2005年7月の海面水温偏差
 図2(a)〜(d)は2002年7月から2005年7月までのそれぞれの偏差を示しています。毎年少しずつ分布は変わりますが、同じような傾向が見られます。アラスカ周辺の海域では2006年7月に正偏差は顕著でありませんでしたが、2003年7月〜2005年7月には顕著な正偏差が見られました。

 このように、夏季の北半球高緯度域においては、水温の正偏差が近年顕著になっていると見られます。これは、北極域海氷分布域の減少と密接に関連しており、さらに地球温暖化と関連している可能性があります*2。

 なお、2006年夏季に欧州では熱波に覆われたと伝えられましたが、海面水温偏差においても同様な傾向が見られます。すなわち図1において、地中海、北海及びバルト海にかけて顕著な正偏差が見られます。この偏差は2003年の海面水温偏差と同等で、今年の熱波も2003年夏季の欧州で見られたものに相当すると見られます*3*4

 JAXAはAMSR-E等の観測センサを駆使して、これからも地球環境の変動を解明するための観測・調査を続けていきます。また、北半球高緯度域における水温偏差に関しては、全観測期間について近々AMSR/AMSR-Eのサイトで公開する予定です。



*1 気候海面水温値 気象庁編集の1971年から2000年の30年平均海面水温
*2 犬ぞりで行けなくなる?北極点 〜減少を続ける北極海氷〜
*3 ヨーロッパを襲った熱波
*4 周辺の海面水温も高かった、この夏のヨーロッパ

観測画像について:
(図1及び図2)
観測衛星: 地球観測衛星Aqua(NASA)
観測センサ: 改良型高性能マイクロ波放射計AMSR-E (JAXA)
観測日時: 2006年7月(図1)、2002年7月(図2a)、2003年7月(図2b)、2004年7月(図2c)及び2005年7月(図2d)
AMSR-Eのプロダクトおよびアルゴリズムについては こちらをご覧ください。

関連サイト:
ADEOS-II解析研究ページ
AMSR-Eが捉えたラニーニャ
地球が見える・海洋

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