地球が見える 2008年
アンダマン海の真珠、プーケット
アンダマン海に面した島の西側には、白砂に縁取られた弓形のビーチが紺碧の海と強いコントラストを見せていくつも連なり、ビーチリゾートに適していることが衛星画像からも一目で分かります。 画像の上から下へ順に、ナイヤンビーチ、バンタオビーチ、パトンビーチ、カロンビーチと続きます。中でも、パトンビーチは、遠浅のため海水浴やパラセイリング、水上バイクを楽しむ観光客で最も賑いのあるビーチです。最南端のプロンテップ岬はアンダマン海に沈む美しい夕日が眺められる名所として知られています。 プーケットの語源は「丘」という意味のマレー語「ブギット(Bugit)」です。確かに島の所々に熱帯樹林に被われた小山(標高300〜500m)が見えています。プーケット島で最後の秘境とも言われているのが、島の中央付近にあるカオプラテオ国立公園地域です。山奥部のうっそうとしたジャングルには熱帯の手付かずの自然が残り、島の重要な水源にもなっています。 山裾では16世紀から20世紀中頃まで錫が盛んに採掘され、その後はゴム農園が営まれてきました。島の北部に見える滑走路はプーケット国際空港です。日本からの直行便も就航しています。島の東側に灰色に拡がる市街域が県庁所在地のプーケットタウンです。
図中央の右辺に隣接するシレイ島は、プーケットの先住民と目される海洋民族の村があり、そこでは昔ながらの海と密着した生活が営まれています。プーケットタウンの北西部には数多くの池が点在していますが、錫を露天掘りした竪孔跡地です。今日ではゴルフコースを構成する自然の造形として活用されています。 プーケット湾側の海沿いに白く輝いて見えるのは、海の玄関口プーケット港の長い岸壁です。その南方に突き出た半島はパンワ岬です。岬の先端部にはアロワナなどの淡水魚やアンダマン海の海洋生物を観賞できるプーケット水族館があります。 プーケットは、2004年12月26日のスマトラ沖地震で発生した津波により大きな被害を受けました。現在ではビーチの賑やかさも戻り、その傷跡を探すのが難しいほどの復興を果たしています。島の入り江を移ろいながら生活する海の民、錫の採掘・交易のために訪れたヨーロッパや中国からの移民、アンダマン海の美しい眺望を求めて世界中から集う観光客、プーケットは今も昔も人を惹きつける豊かな自然を誇る熱帯の島です。
|