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地球が見える 2006年

海上空港と古墳のある風景:大阪

(Google Earthで見る大阪(kmz形式、1.19MB、低解像度版))
全体画像
図は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が2006年10月に捉えた大阪周辺の画像です。紺色の大阪湾には二つの海上空港が浮かんでいます。図左下の泉州沖に見える、一際大きな二つの人工島からなる海上空港は、関西国際空港、通称「関空(かんくう)」です。1994年9月に開港し、現在第二空港島の建設が進行中です。2007年には4,000メートル級の滑走路を二本持つ、面積約1,055haの巨大空港として生まれ変わる予定です。図左上に位置する神戸のポートアイランド沖に見える海上空港は、2006年2月に開港したばかりの神戸空港(約270ha)です。2,500メートルの滑走路がはっきりと視認できます。わが国では、人口の大部分や経済活動の主要部分が臨海地区に集中しているため、便利の良い海上空港の建設が近年盛んに行われています。

図中央部に拡がる灰色の市街地は大阪平野です。そこには沙漠の中のオアシスのように緑地が点在しています。そのうち、図中央に見える砲弾形の緑地は前方後円墳として日本で最大・最長、面積で世界最大の大仙(だいせん)古墳で、宮内庁が仁徳天皇陵として管理しています。しかし、最近の調査で、この古墳が造られたのが5世紀であることがわかってきたので、本当に葬られた大王(おおきみ)が誰か分からなくなっています。現在の規模は、墳長およそ486メートル、三重の濠を含む面積が約47haの広大な墳墓となっています。その大きさからエジプトのクフ王のピラミッド、中国の秦の始皇帝陵と並び世界三大陵墓の一つに数えられています。大和王権が日本列島の支配を広げ、東アジアの国際政治に参入する5世紀前後の古墳時代を象徴する建造物です。

淀川近くの濠に囲まれた緑地は大阪城公園です。16世紀に創建された大阪城を史跡とする約107haの広大な公園です。都会のオアシスとして市民から愛されているだけでなく、大阪平野を見渡せるので、観光客にも人気が高いところです。

図右端の菱形の淡い緑地は奈良盆地です。奈良は8世紀初頭に平城京が造営された古都で、古代律令国家が確立した地です。菱形の盆地の最北部に僅かに茶色に見えるところが平城京跡で、現在も発掘調査と復元事業が進められています。1998年に「古都奈良の文化財」として数々の寺院と共に世界遺産に登録されました。また、斑鳩(いかるが)の里にある「法隆寺地域の仏教建築物」も世界最古の木造建築として飛鳥様式を今に伝えるということで、1993年に世界遺産に登録されています。

5世紀の前方後円墳、8世紀の平城京、16世紀の大阪城、20世紀の海上空港。高度700kmの宇宙から撮った衛星画像の上に同居する古代から現代までを代表する巨大な土木建造物は、地表に刻まれた歴史の重層性を端的に示しています。大阪は文化的・歴史的な魅力を持つ町であり、これからは「関空」を窓口に大阪固有のものを世界に発信していくことが大いに期待されています。



参照サイト:
デジタル古墳百科 古墳データベース(堺市博物館のサイト)
仁徳陵古墳百科(堺市博物館のサイト)
日本の世界遺産リスト(社団法人日本ユネスコ協会連盟のサイト)

観測画像について:
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年10月9日10時27分頃(日本標準時)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2 は4 つのバンドで地上を観測します。通常は、このうちバンド1 (420 〜 500 ナノメートル)、バンド2 (520 〜 600 ナノメートル)とバンド3 (610 〜 690 ナノメートル)を青、緑、赤色に割り当て、カラー合成すると肉眼で見たのと同じような色合いとなります。画像には次のようなものが見えています。

深緑色: 森林
緑色や黄土色: 草地、畑地
青っぽい灰色: 市街地、道路
赤、青、白など: 建物の屋根
濃紺: 水面(湖、池、川)

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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