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地球が見える 2006年

アルプスの名峰:アイガーとユングフラウ

(Google Earthで見るアイガー、ユングフラウ(kmz形式、1.46MB、低解像度版))
全体画像
図は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が2006年9月に捉えたスイスのベルナーオーバーラント地方です。図中央の白い山域にはアルプスの名峰と謳われるアイガー(標高3,970m)、メンヒ(標高4,099m)およびユングフラウ(標高4,158m)が並んでいます。白地の所々に映る紺色の領域は南東方向から陽射しを浴びてできた山の陰です。雪や氷に覆われた山頂を画像上で見分けることは非常に難しいのですが、アイガーだけは容易に分かります。それは、アルプス三大北壁の一つであるアイガー北壁が標高差1,800メートルの鋭く切れ落ちる絶壁となっているため、麓のグリンデルワルト方面に伸びたシルエットを手がかりにその山容を見て取れるからです。

アレッチ氷河(全長約24km)は、ヨーロッパ最大・最長と言われる雄大な造形を持ち、白地に墨を流したような何本かの筋が見えています。この氷河は一日平均数センチメートルの速度で流れているとのことです。このときに岩山を削り、無数の岩石を取り込みながら進むので、これらの岩石が筋を形成します。特に車の轍のような二本の黒い筋は、上流の三つの氷河(アレッチ雪原、ユングフラウ雪原、エーヴィッヒ氷原)が合流して大氷河を形成したことを物語っています。この氷河は2001年にアイガー、メンヒ、ユングフラウといった標高4,000メートル級の山とともに「ユングフラウ・アレッチ・ビエッチホルン」として国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)の世界自然遺産リストに追加されました。地球の歴史を刻み込む氷河や氷河地形は、地球温暖化などの気候変動とも密接に結びついているため、周囲の森とともに保護すべき遺産として認定されたものです。

ベルナー・オーバーラント地方はスイスでも指折りの観光地です。ここでは自然を守るため登山鉄道網が整備され、クライネシャイデックを始発駅とするユングフラウ鉄道は行程の大部分がトンネルで、終点のユングフラウヨッホはヨーロッパ最高地点(標高3,454m)の地下駅となっています。ヨッホとはドイツ語で鞍部を意味します。駅直上のスフィンクス展望台はメンヒとユングフラウを結ぶ稜線の鞍部に突き出ています。目前にユングフラウが迫り、真正面に雄大なアレッチ氷河が拡がる絶好の観光スポットであることが図から見て取れます。

アルプスの美しさを発見し、その景観美をヨーロッパ人に認識させたのは、「自然に帰れ」と呼びかけた18世紀の哲学者ジャン・ジャック・ルソーだと言われています。アルプスという山脈名は高地の牧草地(アルプ)に由来します。アルプスは19世紀から登山者のメッカとなり、アルピニストと言えば登山家を意味するようになりました。今日では日本アルプスやニュージーランド南島のサザン・アルプスのように高く連なる山脈の代名詞ともなっています。



観測画像について:
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年9月4日10時30分頃(世界標準時)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2 は4 つのバンドで地上を観測します。図は、バンド3(610〜690ナノメートル)、バンド2(520〜600ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成したので、肉眼で見たのと同じような色合いになります。雪や氷は白または薄灰色に、市街地は薄い灰色に、森林は濃い緑色に、草地は黄緑色に、氷河湖は明るい水色に見えます。黒はデータがないことを示しています。

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
スイスのシンボル:マッターホルン
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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