地球が見える 2006年
ラニーニャ現象の終息
「AMSR-Eが捉えたラニーニャ」で紹介したラニーニャ現象が終息しました。 気象庁は6月9日に「今回のラニーニャ現象はこの春に終息したと考えられる。」と発表しました。
図1はラニーニャ現象の最中であった2005年12月15日のものです。エルニーニョ監視海域に濃い青色の領域がありますが、その西側のニューギニア島からインドネシア付近では濃い赤色の領域が広がりコントラストが大きくなっています。一方、図2は2006年5月15日のものです。エルニーニョ監視海域とその西側の海域との色のコントラストは小さくなっています。
エルニーニョ現象とラニーニャ現象は東部熱帯太平洋に限られた現象ですが、地球全体の天候に影響を与えていることが知られています。気象庁は、ラニーニャの年の冬は日本付近で厳冬となる傾向があるとしています。 気象庁は、2005〜2006年の冬に日本付近で気温が低かった原因の一つがラニーニャ現象に伴う西部熱帯太平洋における対流活動の活発化であるとしています。しかし、ラニーニャ現象が厳冬の原因であるとは断定していません。それは気候システムがとても複雑なため、原因と結果が単純に1対1には対応しないからです。とは言っても、1万kmも離れた場所の海水温の変動が日本付近の天候と私たちの生活に大きく関連していることはとても不思議なことです。 JAXAはAMSR-E等の観測センサを駆使して、これからも地球環境の変動を解明するための観測・研究を続けていきます。太平洋、インド洋の熱帯域の海面水温の最新情報はエルニーニョウォッチをご覧ください
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