地球が見える 2005年
地表の色はどんな色?:GLIによる全陸域の雲なし画像
地球のまわりを周りながら毎日観測を続ける「地球観測衛星」。宇宙航空研究開発機構(JAXA)地球観測研究センター(EORC)では、地球観測衛星を使って「世界全体の実写画像」の作成に取り組んでいますが、この度、環境観測技術衛星「みどりII」に搭載されたグローバルイメージャ(GLI)のデータを用いて図1のような地球全体の雲なし画像を作成しました。 図1で左上の白い部分はグリーンランド、下の白い部分は南極大陸です。図中央の黄色ないし茶色の明るいところはアフリカ北部のサハラ沙漠とアラビア半島です。その右上の中央アジア、右下のオーストラリア、アフリカの東部と南部、左の南北アメリカ大陸の西部にも茶色っぽいところが見えていて乾燥地帯が広がっていることがわかります。他の陸域は深緑に見えていて、森林などの植生が豊かであることが分かります。
さて、地球観測衛星を使って地球全体をすき間なく撮影すると、いったいどのくらいの年月が必要なのでしょうか? その答は、衛星の軌道や観測装置の特性によって異なりますが、比較的広範囲の観測に適した「みどりII」のGLIでは、3日で地表のほぼ全体をカバーすることができます。しかし、気象衛星「ひまわり」の画像を見て気づくように、必ずどこかに雲が出ているし、日常生活で感じるように季節によって地面の様子が違っていたりするので、いつも地面が同じように観測できるわけではありません。 そのため、ここで紹介する地球画像は、2003年4月から10月の間に「みどりII」によって観測された画像の中から、雲の影響の少ない約2,200枚を選び出して、貼り合わせて作られました。
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