地球が見える 2009年
東京の2つのタワー
図1 東京都心部
図1はALOS(だいち)が2009年9月に撮影した東京都心部の画像です。濃い緑色の部分は植物で覆われている地域で、東京には皇居や明治神宮等大きな樹木で覆われている地域が点在しています。図の上方(北)に点在する白い固まりは雲で、その影が地上に映っています。図の下の方には11月11日に紹介しました羽田空港が見えています。建設が進む新滑走路の規模がわかります。 図2 東京タワー周辺
(Google Earthで見る東京タワー周辺(kmz形式、4.77MB低解像度版)) 図2は東京タワー周辺の拡大画像です。オレンジ色で塔頂部分が白く塗られた東京タワーが、図の中央に見えます。上空から見ると、その高さは実感できませんが、左上に伸びる影の長さからタワーの高さを知ることができます。ALOS(だいち)が東京上空を通過する時刻は、いつも午前中(日本時間では午前10時半前後)と決まっているため、画像には北西の方向に影が写る特徴があります。 図3 東京スカイツリー周辺
(Google Earthで見る東京スカイツリー周辺(kmz形式、4.92MB低解像度版)) 図3は東京スカイツリー周辺の拡大画像です。完成時には、自立式電波塔としては世界一の、高さ634 mとなる東京スカイツリーですが、2009年8月には高さ100 mを超え、11月には200 mを超えました。図の中央、東京スカイツリーの拡大画像は、右側が2009年9月に撮影されたので、100 mを超えたタワーとその影が写っています。左側の2009年1月に撮影された画像には、まだ塔は写っていません。 東京タワー
高さ333 mは、関東エリアの半径100 km圏に電波を送り、また耐風、耐震などの安全面を考慮して決められたと言います。自立式鉄塔としては当時世界最高で、使われた鋼材は4,200トン(324 mのエッフェル塔は約7,000トン)でした。鋼材原料には朝鮮戦争でスクラップにした米軍戦車の廃材も混じっているそうです。 東京スカイツリー 地上デジタル放送は、東京タワーから東京スカイツリーに移行すると、約2倍の高さから送信されることになります。年々増加する超高層ビルの影響を減らすとともに、「ワンセグ」(携帯端末向けのデジタル放送)の放送エリア拡大や、災害時の防災機能の役割も期待されています。 図4 東京の2つのタワーの立体視画像
(目が疲れないように、あまり長い時間、見ないでください。カラー印刷してから見る場合は、pdfファイル(東京タワー・東京スカイツリー)をご利用下さい。左目用pdfファイル(東京タワー・東京スカイツリー)と右目用pdfファイル(東京タワー・東京スカイツリー)も用意しました。)
左目に赤、右目に青のメガネをかけて東京タワー(図4左の画像)と建設中の東京スカイツリー(図4右の画像)を見ると、それぞれの塔が立体的に見えます。 なお、図1〜3では上側が北になっていますが、撮影方向の関係で、図4は右側が北になっています。 写真1 地上から見た東京タワー 写真2 建設中の東京スカイツリー
上の写真は、地上から見た2つのタワーです。2009年12月8日に撮影したもので、東京スカイツリーの高さは約230 mに達しています。東京タワーのちょうど3分の2程の高さに当たります。 参照サイト
観測画像について
AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。
PRISMは地表を520〜770 ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。 |