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地球が見える 2009年

東京の2つのタワー

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図1 東京都心部

図1はALOS(だいち)が2009年9月に撮影した東京都心部の画像です。濃い緑色の部分は植物で覆われている地域で、東京には皇居や明治神宮等大きな樹木で覆われている地域が点在しています。図の上方(北)に点在する白い固まりは雲で、その影が地上に映っています。図の下の方には11月11日に紹介しました羽田空港が見えています。建設が進む新滑走路の規模がわかります。
画像の中央付近には、1958年12月にオープンした東京タワーがあります。高さ約333 mで、半径100 km圏の関東エリアに向けて、各種放送電波を発信しています。関東地方では、地上デジタル放送を2003年12月より開始していますが、都心部に林立する高さ200 mを超える超高層ビルの影響から、新タワーの建設が望まれていました。画像の右上、皇居の北東約5 kmほどに、現在、新タワー「東京スカイツリー」の建設が進められています。

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図2 東京タワー周辺
(Google Earthで見る東京タワー周辺(kmz形式、4.77MB低解像度版))

 図2は東京タワー周辺の拡大画像です。オレンジ色で塔頂部分が白く塗られた東京タワーが、図の中央に見えます。上空から見ると、その高さは実感できませんが、左上に伸びる影の長さからタワーの高さを知ることができます。ALOS(だいち)が東京上空を通過する時刻は、いつも午前中(日本時間では午前10時半前後)と決まっているため、画像には北西の方向に影が写る特徴があります。
図の左上には、六本木ヒルズや東京ミッドタウンがあり、それら高層ビルが長い影を左上(北西)に落としています。
図の右側にある緑の部分は浜離宮恩賜庭園です。徳川将軍家の庭園で、江戸の代表的な回遊式庭園です。

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図3 東京スカイツリー周辺
(Google Earthで見る東京スカイツリー周辺(kmz形式、4.92MB低解像度版))

 図3は東京スカイツリー周辺の拡大画像です。完成時には、自立式電波塔としては世界一の、高さ634 mとなる東京スカイツリーですが、2009年8月には高さ100 mを超え、11月には200 mを超えました。図の中央、東京スカイツリーの拡大画像は、右側が2009年9月に撮影されたので、100 mを超えたタワーとその影が写っています。左側の2009年1月に撮影された画像には、まだ塔は写っていません。
東京スカイツリーは、東京都墨田区の押上地区に建設されています。ここは、浅草、向島などの伝統ある下町に囲まれています。東武線、地下鉄、水上バス等の交通の要所でもあります。
画面左側には浅草寺と表参道である仲見世通りが見えます。その入り口に雷門があります。画像左下には国技館(年3回、大相撲の本場所が開かれる)と東京江戸博物館(高床式倉庫をイメージした建物に、江戸時代の文化や、東京の成長していく過程などが展示されている)が見えています。

東京タワー

高さ333 mは、関東エリアの半径100 km圏に電波を送り、また耐風、耐震などの安全面を考慮して決められたと言います。自立式鉄塔としては当時世界最高で、使われた鋼材は4,200トン(324 mのエッフェル塔は約7,000トン)でした。鋼材原料には朝鮮戦争でスクラップにした米軍戦車の廃材も混じっているそうです。
現在では、首都圏を運航する列車に緊急停止信号を送る、JR東日本のアンテナも設置されています。また高さを活かして、大気汚染等を調査するための風向風速計、温度計、硫黄酸化物測定器などが、高度別に取り付けられています。東京タワーは電波塔としてだけではなく、東京の環境を監視する役割も担っています。

東京スカイツリー

 地上デジタル放送は、東京タワーから東京スカイツリーに移行すると、約2倍の高さから送信されることになります。年々増加する超高層ビルの影響を減らすとともに、「ワンセグ」(携帯端末向けのデジタル放送)の放送エリア拡大や、災害時の防災機能の役割も期待されています。
このような600 m超という塔を現代の技術で造るに当たり、参考にしたのが、日本独自の木造建築物である五重塔です。日本の伝統的な塔である五重塔は、これまでに地震による倒壊例がなく、その秘密は、建物中央の柱(心柱)にあると考えられています。現代の最新技術と伝統的な建造方法が組み合わされて、東京スカイツリーは設計されています。


 なお、「だいち」の衛星画像は、NTTレゾナントグループの「goo地図」などで利用されています。「goo地図」では、画面左上の「航空」ボタンをクリックすると、背景が「だいち」画像に変わります。

図4 東京の2つのタワーの立体視画像
(目が疲れないように、あまり長い時間、見ないでください。カラー印刷してから見る場合は、pdfファイル(東京タワー東京スカイツリー)をご利用下さい。左目用pdfファイル(東京タワー東京スカイツリー)と右目用pdfファイル(東京タワー東京スカイツリー)も用意しました。)

左目に赤、右目に青のメガネをかけて東京タワー(図4左の画像)と建設中の東京スカイツリー(図4右の画像)を見ると、それぞれの塔が立体的に見えます。 なお、図1〜3では上側が北になっていますが、撮影方向の関係で、図4は右側が北になっています。

  写真1 地上から見た東京タワー      写真2 建設中の東京スカイツリー

上の写真は、地上から見た2つのタワーです。2009年12月8日に撮影したもので、東京スカイツリーの高さは約230 mに達しています。東京タワーのちょうど3分の2程の高さに当たります。



参照サイト

観測画像について

観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)および
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2009年9月6日01時36分頃(世界標準時)(AVNIR-2、PRISM同時観測)
地上分解能: 10 m(AVNIR-2)および2.5 m(PRISM)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

 AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

濃緑: 森林
明緑: 草地
暗灰色: 市街地
暗青色: 水域
茶色: 埋立地
白: 雲、建物

 PRISMは地表を520〜770 ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。
AVNIR-2の、バンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5 mのカラー画像を作成することができます。図1〜3はこのように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。

本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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