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地球が見える 2009年

チベット文化・仏教の中心都市、ラサ

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図1 ラサ市周辺

図1は、「だいち」(ALOS)が2007年3月に撮影した中国チベット自治区の首府ラサ市周辺の画像です。ラサ市は、画像中央を流れるラサ川流域にありますが、画像からも分かるように、チベット高原の山々に囲まれたところにあります。標高は3,650メートルで、世界で最も標高の高いところにある都市の一つです。ラサ川は、画像左下(南西)方向に約50 kmほど流れると、国境を東に流れる大河ヤルツァンポ川に合流します。

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図2 ラサ市中心部
(Google Earthで見るラサ(kmz形式、5.25MB、低解像度版))

図2は、ラサ市の中心部です。右のほうに環状の壁に囲まれたジョカン寺(大昭寺)が見えています。ジョカン寺は、本殿であるジョカン寺と周囲を取り囲むトゥルナン寺から構成され、7世紀中ごろに建立されたチベット仏教の最初の寺院です。チベットにおいて、最も神聖で、重要な寺院となっています。また、中国の唐王朝から嫁いできた王妃が持ち込んだ仏像を納めるために建設されたという伝説もあります。
中央の小高い丘の南斜面にあるのがポタラ宮で、東西約360 m、南北約300 mにも及びます。ポタラという名はポータラカ(観音菩薩が住むと伝えられる山)に由来しています。ポタラ宮は、7世紀中ごろに建設された宮殿の遺跡を17世紀に拡充・増築して建設されたものです。チベット仏教の最高位のダライ・ラマが居住していた場所ですが、現在は、博物館となり、内部の一部が公開されています。

左の緑に囲まれたところが、ノルブリンカ離宮です。ノルブリンカ離宮は、18世紀中ごろに建設され、ダライ・ラマの夏季の離宮として使用されていました。ポタラ宮は、1994年にユネスコの世界文化遺産に登録され、続いて2000年にジョカン寺が、さらに2001年にノルブリンカ離宮が追加登録されています。

チベット仏教と日本人

ラサは、チベット仏教の中心地ですが、チベット語仏典は、インド仏典の昔の姿をとどめているといわれています。このチベット語仏典を求めて日本の仏教学者河口慧海(かわぐちえかい)が1901年(明治34年)にインド・ネパールを超えてラサを訪れています。また、1913年には多田等観(ただとうかん)がヒマラヤを越えてラサを訪れ、10年間修行しています。彼は、門外不出のチベット語大蔵経(だいぞうきょう)など24,000点余りの文献を持ち帰り、それを紹介しています。彼らが学んだセラ寺(色拉寺)はラサの北約8 kmほどにあります。

2006年7月には、青海省の省都西寧とラサを結ぶ青蔵鉄道が開通しています。最高地点の標高は5,072 mで、ペルー鉄道を抜いて鉄道世界最高となりました。また毎年8月下旬(チベット歴6月30日)には、チベットの最大のお祭りであるショトン祭(雪頓節)が開催されます。チベット文化・チベット仏教の中心地として、これからも発展してほしいものです。

ショトン祭(雪頓節)

チベット語で「ショ」はヨーグルト、「トン」は宴の意味で、ヨーグルト祭とも呼ばれます。夏の一定期間、僧侶達が経堂に籠もって修行を行いますが、修行明けを祝って、村人たちがヨーグルトを施したことがショトン祭の起源といわれています。
ショトン祭は当初、ラサの北西約12 kmにあるデプン寺(哲蚌寺)で行われていました。17世紀中ごろ、ダライ・ラマ5世が行事をポタラ宮に移し、チベットの伝統歌劇アチェ・ラモの上演を始めました。これ以降、チベット歴6月30日に、タンカ(チベットの仏画)がご開帳され、翌日にアチェ・ラモが上演される様になりました。18世紀初めにはノルブリンカ離宮が完成し、ポタラ宮での行事はこちらに移されています。デプン寺やセラ寺では、毎年巨大なタンカが開帳されます。



観測画像について

観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)および
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2007年3月25日04時45分頃(世界標準時)(AVNIR-2、PRISM同時観測)
地上分解能: 10 m(AVNIR-2)および2.5 m(PRISM)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

うす茶色: 山間部(草原)
緑色: 草地、農地
灰色: 市街地、道路
青色: 建物(屋根)の色
黒っぽい青: 水域
白: 雪、雲

PRISMは地表を520〜770 ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。
AVNIR-2の、バンド1 (420〜500ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド3 (610〜690ナノメートル)を青、緑、赤色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5mのカラー画像を作成することができます。図2はこのように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。

本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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