地球が見える 2008年
グリーンランド西部の融ける氷床
中央部が白くて、周囲が青い池がいくつか見ますが、これらは、池の表面の中央が凍っているものの、その周囲は凍らずに水面が見えている状態だと考えられます。このような池は2001年の画像では10個ほど見えますが、2008年の画像では、その多くは色の濃い池に変わってしまいました。これらのことは、この7年間にグリーンランド西部の氷床の融解が進んだことを示しています。 図の下の距離尺を使うと、細長い池の幅は100mほど、一番北の池の大きさは0.9km×1.7kmほどあることが分かります。
図の中央には長さ54〜60km、幅4.4〜13.6kmのイルリサット・アイスフィヨルドが見えています。このフィヨルドの河口の北岸には人口4,000人のイルリサットの市街地が、その北3kmほどのところにはイルリサット空港の長さ1,000mの滑走路が見えています。 イルリサット・アイスフィヨルドは地球の歴史の一段階である第4紀の最終氷期の傑出した事例であること、巨大な氷床と、氷山に覆われたフィヨルドに氷山を生み出す流れの速い氷河の組み合わせがグリーンランドと南極とでしか見られない現象であることから、2004年、国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)の世界自然遺産として登録されました。
図1と比べると、より大きな池があり、図1の領域よりも氷床の融解が進んでいるようです。
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