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図1 西日本を覆う黄砂 |
5月26日と27日に日本全国で黄砂が観測されました。今年は黄砂だけでなく九州での光化学スモッグの発生も問題になっています。図1はNASAの地球観測衛Terraに搭載されたMODISが5月27日に観測した日本周辺の画像です。西日本から東日本にかけてすっぽりエアロゾルに覆われている様子が分かります。黄砂は茶色く見えることが多いのですが、今回は雲より薄い白っぽい部分が多く見え、黄砂と一緒に人間活動に伴うエアロゾルも来ている様子がうかがえます。ただしこの季節は焼き畑などによる煙が多いので、工場や車の排気ガスによる光化学スモッグとは断定できません。
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図2 五島列島で観測されたエアロゾルの粒子数* |
図2は長崎県五島列島の福江島で測定したエアロゾルの粒の数です。黄砂は主に5µm以上の大きな粒子が占めています。図2の5µmのグラフを見ると5月25日までは数個程度だったのが、正午過ぎから増加し始め、26日から27日にかけては1リットルあたり100個以上の粒子がずっと測定されており、28日になって減少しています。黄砂として特別多い数ではありませんが長時間にわたって黄砂現象が続きました。
*縦軸は1リットルあたりの粒子数です。対数で表されており、100=1個、103=千個、106=百万個になります。五本のグラフはそれぞれ上から粒子の直径0.3µm、0.5µm、1.0µm、2.0µm、5.0µmの粒子の数を表します。
福江島での測定はSKYNETによって行われており、総合地球環境学研究所と千葉大学によって観測サイトが維持されています。SKYNETのご好意によりデータを提供していただきました。
SKYNET (英語) |
観測画像について:
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