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地球が見える 2007年

アラビア半島の商都・保養地、ドバイ

図1 ドバイの広域画像
(Google Earthで見るドバイ (kmz形式、1MB、低解像度版))
図1は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)に搭載された高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が2006年12月と2007年3月に捉えたアラビア半島の商都であり、保養地であるドバイです。図の左上半分がペルシャ湾、右下半分がアラビア半島で、内陸部は黄土色の沙漠になっています。海上にはいくつかの大規模な人工島が、沿岸部には市街地や公園などの緑地が見えています。
ドバイは紀元前の時代から海上交易の中継地として図右上のクリーク(天然の運河)を中心に栄えてきました。現在のドバイは1971年12月に結成されたアラブ首長国連邦(UAE)を構成する首長国の一つとして、商業と観光を中心に経済発展を続けています。
図の左下にはリゾート施設として工事中の人工島パーム・ジュベルアリ、自由貿易地区を擁し、世界最大の人工港であるジュベルアリ港、2008年までに一部完成し、当初貨物便に使われる予定で工事中のジュベルアリ国際空港が見えています。図の右上には第三のパーム・アイランドとして工事が始まったパーム・デイラの一部が見えています。

図2 ドバイ中心部
図2は図1の赤い枠内の拡大図です。図左下の海上にはパーム・アイランドのうち、最初に造成されたパーム・ジュメイラが見えています。その形は文字通りヤシの木に似せてあり、幹、17枚の葉と花冠、防波堤を兼ねた弧状の島からなっています。全体の横幅は約5 kmあり、豪華なホテルや戸建住宅、マンションが建設中です。その北側には世界地図をかたどった人工島ザ・ワールドが見えています。長径9 km、短径6 kmの楕円形に防波堤が造られ、その中に大小約300の島がインフラ工事とともに造成中です。
図右上にはクリークとドバイ国際空港が見えています。クリークの一番奥は鳥獣保護区になっています。
図中央にはラクダのレースコースとナド・アルシバ競馬場が見えています。
沿岸部の緑地は公園やゴルフ場などです。赤枠4と6の中やその周辺をよく見ると、左上に細長く伸びる小さな陰が数多く見え、高層ビルがたくさんあることが分かります。
図左下には巨大レジャー・ショッピング施設モール・オブ・エミレーツがあり、この中には人工スキー場があります。

図3 クリークの河口付近の立体視用画像
(目が疲れないように、あまり長い時間、見ないでください。カラー印刷してから見る場合は、pdfファイルをご利用下さい。左目用pdfファイル右目用pdfファイルも用意しました。)
図3〜図6はパンクロマチック立体視センサ(PRISM)が2007年3月に観測した直下視画像と後方視画像による立体視用画像で、図2の赤枠3〜6で囲まれた部分にそれぞれ対応しています。これらの画像では北はほぼ右側になっているので、注意が必要です。
図3の中央の黒い帯はクリークです。クリークの右岸はデイラ地区、左岸はバール・ドバイ地区で、スークと呼ばれる昔ながらの市場があります。クリークの右岸に多くの船着場が櫛の歯のように見えています。赤と青の色メガネを使って見ると、クリークの右岸のデイラ地区が段丘になっていることが手に取るように見えます。

図4 サトワ地区の立体視用画像
(目が疲れないように、あまり長い時間、見ないでください。カラー印刷してから見る場合は、pdfファイルをご利用下さい。左目用pdfファイル右目用pdfファイルも用意しました。)
図中央をシェイクザーイド・ロードが伸び、その両側に高層のホテルやオフィスビルが並んでいることが分かります。図中央の2棟の超高層ビルはエミレーツ・タワーズで、右下にはドバイ・ワールド・トレード・センターが見えます。

図5 ジュメイラ・ビーチの立体視用画像(その1)
(目が疲れないように、あまり長い時間、見ないでください。カラー印刷してから見る場合は、pdfファイルをご利用下さい。左目用pdfファイル右目用pdfファイルも用意しました。)
図中央に一風変わった形の大きなホテルが海に浮かんでいるように見えます。その高さは321 mでホテルとしては世界一高く、その形は、インド洋やアラビア海などで今でも使われている沿海貿易用の帆船「ダウ船」の帆の形に似せて設計されました。その右下には波の形をかたどったホテルとマリーナが見えています。

図6 ジュメイラ・ビーチの立体視用画像(その2)
(目が疲れないように、あまり長い時間、見ないでください。カラー印刷してから見る場合は、pdfファイルをご利用下さい。左目用pdfファイル右目用pdfファイルも用意しました。)
図右上にはパーム・ジュメイラの一部が、左下には人間の骨盤のような形の公園が見えています。人工的に造られた運河の海側には40棟の高層マンション(4棟のホテルを含む)ジュメイラ・ビーチ・レジデンスが、シェイクザーイド・ロードの陸側には30棟以上の高層マンション、ジュメイラ・レイク・タワーズが見えています。
赤青メガネをかけずに海上を見ると、水色と赤の船の航跡が見えます。赤の画像は後方視の画像で、水色の画像は直下視の画像を表しており、後方視の画像は直下視の画像の約45秒後に取得されるので、赤い航跡は水色の航跡の約45秒後の位置を示していることになります。



参考文献:
槇島公、「ドバイがクール 世界ナンバーワンずくめの楽園都市」、三一書房、2006年

参照サイト:
赤青メガネの作り方について(「榛名山を立体視」付録参照)

観測画像について:
(図1及び図2)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年12月24日07時05分頃 (世界標準時) (左側)
2007年3月9日07時03分頃 (世界標準時) (右側)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2は、4つのバンドで地上を観測します。図1及び図2は、いずれも可視域のバンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、深い水面は濃紺に、浅い水面は水色に、公園やゴルフ場、畑地などは緑に、道路や建物は灰色に、露出した岩や土砂は茶色っぽく見えます。
図1と図2の右側と左側では色合いが異なっていますが、これは観測時の大気の状態の違いや観測した季節の違いによる植生の違いによるものと考えられます。

(図3〜図6)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2007年3月9日07時03分頃 (世界標準時)
地上分解能: 2.5 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
PRISMは地表を550〜720 nm (ナノメートル:10億分の1メートル)の可視域1バンドで観測する光学センサで、3 組の光学系(望遠鏡)を持ち、衛星の進行方向に対して前方、直下、後方の3方向の画像を同時に取得します。得られる画像は白黒画像です。
図3〜図6は直下視(緑と青)と後方視の画像(赤)を用いています。立体視の際には、右目で見る画像と左目で見る画像の角度の違い(視差といいます)を利用しますが、図3〜図6の場合、左目で衛星の後方を、右目で衛星の直下を見ることになるので、左側が衛星の進行方向になり、右側がほぼ北になります。図1及び図2では上側が北になっていますが、図3〜図6では右側がほぼ北になっているので、注意しましょう。

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
変革しつつある湾岸初の産油国:バーレーン
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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