ページの先頭です。
本文へジャンプする。
ここからサイト内共通メニューです。
サイト内共通メニューを読み飛ばす。
サイト内共通メニューここまで。
ここから本文です。

地球が見える 2007年

世界の瀑布(その2) 大地の裂け目に落下するヴィクトリアの滝、ザンビア・ジンバブエ

図1 ヴィクトリアの滝パンシャープン画像
(Google Earthで見るヴィクトリアの滝 (kmz形式、1.42MB、低解像度版))
全体画像
図1は陸域観測衛星「だいち」(ALOS)搭載のパンクロマチック立体視センサ(PRISM)が2006 年7 月に観測した画像と、地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1)搭載の光学センサのうち可視近赤外放射計(VNIR)が1997 年4 月に観測した画像を組み合わせて作成したヴィクトリアの滝のパンシャープン画像です。滝に落ちる水がよく見えるように、南側から斜めに見た画像を使用しています。観測した4月は、雨期明けの時期で水量が最大となります。

ヴィクトリアの滝はアフリカ大陸南部のザンビアとジンバブエの国境を流れ、モザンビークを通ってインド洋に注ぐ全長2,750 kmのザンベジ川中流にある世界三大瀑布の一つです。滝の幅は1.7 km、落差は80mから108mあり、高さ・幅ともナイアガラの滝の2倍です。画像でも白くまっすぐに流れ落ちる滝の下から湧き上がる水煙が見えています。現地語では「モシ・オ・トゥニャ」といい、雷鳴の轟く水煙を意味します。雨季には水煙の高さは400 mにも及び、50 km離れたところからでも見えるそうです。昼間の虹は言うまでもなく、満月の夜には月明かりによる虹(moonbow)が見えて幻想的な景観となります。

全体画像では、左から右へ(西から東へ)黒く蛇行して流れるザンベジ川が見えています。川の北がザンビア、南はジンバブエです。蛇行するザンベジ川の広い川幅が細くなってジグザグになる境目がヴィクトリアの滝です。図の上にはザンビア側のリビングストン空港が、右下にはジンバブエ側のヴィクトリア・フォールズ空港がそれぞれ見えています。

ヴィクトリアの滝は1855年、イギリスの探検家デイヴィッド・リヴィングストンによって発見され、1905年に複合橋(鉄道・道路・歩道)であるヴィクトリア・フォールズ橋がかかるまでは、ほとんど訪れる人がなかった地域ですが、今では毎年30 万人規模の観光客が訪れます。日本からは香港経由でヨハネスブルグ(南アフリカ)に入り、最寄りのヴィクトリア・フォールズ(ジンバブエ)へ至るルートが一般的です。乗り換え時間を含めると20 時間以上の長旅です。2004 年の統計では日本からのジンバブエ訪問者数は17,406 人でした(国際観光振興機構調査による)。

図2 ヴィクトリアの滝の立体視用画像(図1と異なり左側が北です)
(目が疲れないように、あまり長い時間、見ないでください。カラー印刷してから見る場合は、pdfファイルをご利用下さい。左目用pdfファイル右目用pdfファイルも用意しました。)
図2はヴィクトリアの滝を中心にした立体視用画像です。撒きあがる水煙によって滝つぼは見えませんが、下流のジグザグした川面がそそり立った断崖の下を流れているのが見てとれます。
ヴィクトリアの滝は1989 年に国際連合教育科学文化機関 (ユネスコ)の世界自然遺産リストに追加されました。2007 年1 月7日付けのイギリスの"INDEPENDENT 紙"によると、川を挟んだ両国の激しい観光誘致によりリゾートの良さが損なわれてきたこと、さらには、ザンビア側の国立公園内の滝を見渡せる場所に500軒のシャレー(山荘)を建設する計画が持ち上がっていることなどにより、ユネスコが「危機遺産」リストに加えるかどうかの検討を開始したとのことです。



参照サイト:
赤青メガネの作り方について(「榛名山を立体視」付録参照)

観測画像について:
(図1、図2および全体画像)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2006年7月24日08時36分頃(世界標準時)
地上分解能: 2.5 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

観測衛星: 地球資源衛星1 号「ふよう1 号」(JERS-1)
観測センサ: 可視近赤外放射計(VNIR)
観測日時: 1997年4月1日08時47分頃(世界標準時)
地上分解能: 18.3 m × 24.2 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
PRISM は地表を520 〜 770 nm(ナノメートル:10 億分の1 メートル)の可視域から近赤外域の1 バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは後方視の画像を使っています。VNIRは直下を可視・近赤外域の3バンドで観測するとともに、立体視用データを得るために前方を近赤外域の1バンドで観測するセンサです。

図1については、通常はVNIRの可視域のバンド2 (630 〜 690 ナノメートル)、近赤外域のバンド3 (760〜 860 ナノメートル)、可視域のバンド1 (520 〜 600 ナノメートル)の各バンドに赤、緑、青色を割り当てますが、ここでは通常と異なって、緑にバンド2 の値× 60%とバンド3 の値× 40%の和を割り当てるという工夫をしたので、肉眼で見たのとほぼ同じ色合いの画像となっています。この画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI 変換)し、明度をPRISM 画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5 mのカラー画像を作成することができます。
このように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像をパンシャープン画像と呼びます。この組合せでは、肉眼で見たのと同じような色合いとなり、次のように見えています。
深緑: 森林
薄緑: 草地、畑地
白など: 建物、道路、滝
深紫: 水面

  図2はVNIR の前方視の画像(赤)と直下視の画像(緑と青)を用いています。左目で衛星の前方を、右目で衛星の直下を見るので、右側が衛星の進行方向になり、左側が北の方向に対応します。図1では上側が北になっていますが、図2では左側が北になっているので、注意しましょう。

全体画像はPRISMの後方視の画像を使っています。

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
世界の瀑布(その1) 虹色に染まるナイアガラの滝、アメリカ・カナダ
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
画像:ページTOP