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地球が見える 2006年

加賀百万石の城下町:金沢

金沢市中心部
(Google Earthで見る金沢(kmz形式、1.64MB、低解像度版))
(全体画像)
図は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)とパンクロマチック立体視センサ(PRISM)がそれぞれ2006年10月と8月に捉えた画像に基づいて作成した金沢市中心部のパンシャープン画像です。図中央の緑の部分が「加賀百万石」と称された加賀藩前田家の居城跡です。平成8年から28.5 ha(東京ドームの6倍を超える広さ)の「金沢城公園」として、一般に開放されています。その南東側に隣接する緑の部分は日本三名園の一つに数えられる兼六園です。江戸時代の代表的な大名庭園で六つのすぐれた景観「六勝」を兼ね備えていることからその名がつけられました。「廻遊式」の要素を取り入れ、何代もの加賀藩主により長い年月をかけて形づくられてきました。

金沢城を居城とした前田家は三代をかけて城下町を整備しました。図を見ると金沢城の周囲には市街地が広がっていることが分かりますが、長町(ながまち)の武家屋敷跡、ひがし茶屋街や主計町(かずえまち)茶屋街の古い町並み等、いまなお城下町の時代の様相がそこかしこで感じられます。

金沢城をはさんで二つの川、浅野川と犀川(さいかわ)が南東から北西へ並行に流れています。図から二つの川の間に河岸段丘が認められます。金沢城および兼六園はこの小立野(こだつの)台地の先端部分に造られていたことが分かります。

金沢城の南側にある円形の建物は『まちに開かれた公園のような美術館』というコンセプトのもと、2004年10月に完成した金沢21世紀美術館です。正面や裏側といった区別のない円形デザインで建物と街が一体となっています。そのため、この美術館では建物を上空から見た様子をそのまま美術館のロゴに採用したとのことです*1

金沢城の北西約1.5 kmにJR金沢駅があります。図から金沢駅周辺整備計画により2005年に完成した大屋根が認められます。アルミニウム合金立体トラスとガラスを素材とした曲線でまとめられ、そっと傘を差し出す金沢人の「もてなしの心「思いやりの心」を」表し「もてなしドーム」と名付けられました。アルミ合金製の骨組みを使用して作られた施設としては日本最大で、面積3,000平方メートル、高さは最大29.5 m、重さ90 kgの強化合わせガラス3,019 枚が使われています。また、金沢駅の東口に屋上が青く、北西に陰を伴ったビルがいくつか見えています。金沢城公園の西を南北に走る百万石通りの両側にも屋上が青く、高いビルが並んでいるのが見えます。

戦国の世、前田利家はここ北陸の地に加賀百万石の領地を築きました。その城下町として発展した金沢には独自の文化と様々な工芸技術が生まれ、現代に受け継がれています。衛星画像からは城下町に見られる伝統と現代の土木建築の対比が見て取れます。



参照サイト:
*1 美術館ロゴについて(金沢21世紀美術館のサイト)

観測画像について:
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: パンクロマチック立体視センサ(PRISM)および高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年9月8日午前10時45分頃(PRISM)および10月10日午前11時07分頃(AVNIR-2)(いずれも日本標準時)
地上分解能: 2.5 m(PRISM)および10 m(AVNIR-2)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
PRISMは地表を520〜770 nm(ナノメートル:10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。
AVNIR-2は、衛星進行方向に直交する方向に観測領域を変更するポインティング機能を持っていて、4つのバンドで地上を観測します。このうち、バンド1 (420〜500ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド3 (610〜690ナノメートル)を青、緑、赤色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、 「彩度(Saturation)」、 「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5mのカラー画像を作成することができます。
このように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像をパンシャープン画像と呼びます。この組合せでは、肉眼で見たのと同じような色合いとなり、森林は深緑に、草地や畑地は薄緑に、露出した土壌は黄土色に、道路は灰色に、建物の屋根の色はそのままに見えています。
なお、今回のAVNIR-2の元画像はポインティング角が34.30°と大きかったため標高の違いによる歪みを含んでいたので、PRISMデータから抽出した標高データでAVNIR-2画像のオルソ(正射)補正を行ってから、上記パンシャープン画像を作成しました。
また、全体画像は上記パンシャープン画像の元となったAVNIR-2画像の全体を示しています。白は雪、青は海、黄土色や茶色は農地、灰色は市街地、黒はデータのないところです。

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
ガウディたちが活躍した街:スペイン、カタルーニャ州バルセロナ
「つくば」のパンシャープン画像
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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